高島屋は15日、村田善郎(むらた・よしお)代表取締役常務企画本部長が3月1日付で社長に就任するトップ人事を発表した。木本茂・社長は代表権を持たない取締役に退き、子会社の東神開発の代表取締役会長を兼任する。木本社長のもとで進めてきた日本橋高島屋S.C.やサイアム高島屋(タイ・バンコク)開業など国内外の大型プロジェクトの完成を機に、体制の若返りを図る。
次期社長に就任する村田氏は1961年生まれの57歳。85年に高島屋に入社し、2011年に柏店店長、13年に執行役員に就任してからは経営戦略部長、企画本部長など経営の中枢でアジア事業や日本橋再開発の大型プロジェクトを指揮してきた。17年に代表取締役常務に就任。労働組合の委員長を務めた経験もある。
退任する木本氏は14年に社長に就任後、百貨店を核に周辺不動産の開発で相乗効果を高める「まちづくり戦略」を推進するとともに、地方店では大型専門店などのテナントを入れて収益改善を図ってきた。海外では安定した利益を上げるシンガポール店に加え、苦戦していた上海店、16年に開業したホーチミン店(ベトナム)も黒字化のめどをつけた。18年2月期まで8期連続の営業増益という安定した事業基盤を作った。
同社は、同じく3月1日付で村田新体制を支える代表取締役の人事を発表した。代表取締役専務営業本部長・ライフデザインオフィス長に粟野光章・常務取締役関西代表大阪店長が、代表取締役常務総務本部長に山口健夫・常務取締役総務本部長が、代表取締役常務企画本部長に岡部恒明・常務取締役営業推進部長がそれぞれ昇格する。