「ザラ(ZARA)」「ベルシュカ(BERSHKA)」などを擁するインディテックス(INDITEX)の2019年1月期決算は、売上高が前期比3.1%増の261億4500万ユーロ(約3兆2942億円)、純利益が同2.2%増の34億4400万ユーロ(約4339億円)の増収増益だった。
パブロ・イスラ(Pablo Isla)会長兼最高経営責任者(CEO)は、「競争が厳しい環境下では旗艦店とオンラインに集中する必要があるため、店舗の統廃合をさらに促進した」と述べた。同社は小規模店の整理や旗艦店への集中を6年前から進めており、18年度は370店をオープンし、355店を閉店。112店の増床を含む226店を改装し、期末店舗数は7490店だった。19年3月15日には、ニューヨークの大型再開発プロジェクト「ハドソンヤード(HUDSON YARDS)」内の商業施設に旗艦店をオープンした。
インディテックスは業界でもデジタル化の最先端を走っており、最高水準の物流システムを導入している。正確な在庫管理などが可能になったことで、利益を上げることに集中することができ、ホリデー商戦においても過剰な値下げをせずにすんだという。また、同社は20年までに世界中のどこからでも全傘下ブランドの製品をECで購入可能にする計画を公表しており、18年3月にオーストラリアとニュージーランド、11月には106の市場で新たに「ザラ」製品を購入できるようにした。ECでの売り上げは前期比27%増の32億ユーロ(約4032億円)となり、売り上げ全体の12%を占めているが、ECが展開されている市場では14%を占めている。今後はブラジルや中東にもECを拡大する予定だ。イグナシオ・フェルナンデス(Ignacio Fernandez)=ファイナンシャル・ディレクターは、「第4四半期にECを開始した市場はまだ売り上げに貢献していないが、より多くの市場で当社の商品が購入可能になることに意義がある」とコメントした。
同社は将来的に「ザラ」とインテリアファッションブランド「ザラ ホーム(ZARA HOME)」を統合し、さらなるシナジー効果を狙う計画だという。これに伴い、今秋から「ザラ」のいくつかの市場の公式サイトに「ザラ ホーム」の製品が掲載される。情報筋によれば、「ザラ ホーム」に木製のキッチンテーブルなどの家具類が登場するそうだが、コメントは得られなかった。