ロコンドは18日、取引先などを招いた事業説明会“PPAP(Partners and Presentation And Party)”を行った。高級ブランドを集積した「ロコンド デパートメント」やオウンドメディア「ロコンド・マガジン」による商品単価を上げる高付加価値戦略、モバコレ統合による顧客層の拡大、ブランドの自社EC支援事業の拡充、初期費用無料の基幹システムなどをスタート。「ZOZO(の価格帯)が下に行く間に、われわれは上を目指す。2020年度の“圧倒的2位”になるため、19年のテーマは“普通の2位”」(田中裕輔社長)とし、ファッション分野のネット通販の圧倒的王者ZOZOを追撃する。
最大の目玉は初期費用無料のクラウド型の基幹システム「ロコア(LoCore)」とフランチャイズ型のオムニ業態“ミーツ(MEETS)“だ。「ロコア」は卸とリアル店舗、ECサイトの全販路の売り上げ・利益・在庫を管理できるクラウド型の基幹システムで、6月から社内でテスト運用を開始、8月からは外部への提供を計画する。通常1000万円以上の費用がかかる基幹システムを安価に提供することで、自社のネット通販サイト「ロコンド」に加え、外部のネット通販モール、テナントであるブランドの公式通販サイト、直営および卸先のリアル店舗まで、多様化する販売チャネルでの在庫の共有化を図る狙い。
もう一つの柱である“ミーツ”は、リアル店舗の運営に必要になる物流や決済、POSなどのインフラ全般をロコンドが定額制で供給するフランチャイズモデル。すでに3月15日に吉祥寺の駅ビル「キラリナ」に傘下のシューズメーカーのMISUZUがテスト的に店舗をオープンしており、4月1日に本格オープンする。「店頭でのタブレット接客もするものの、正直言って難易度が高く、ほとんど効果がない。狙いはネット通販で集客し、店頭で販売するモデル。10坪単位のシューズ平場などで相当の威力を発揮すると見込んでいる。20年度までに百貨店などの既存のシューズ平場を中心に100カ所を展開したい」と意気込む。