オンワードホールディングス(HD)の2019年2月期連結業績は、本業のもうけを示す営業利益が前期比13.7%減の44億円だった。中核会社であるオンワード樫山の主力ブランドが苦戦したほか、欧州を中心とした海外事業の構造改革費用がかさんだ。また棚卸資産に評価損が発生したことも一因になった。
売上高は同1.0%減の2407億円だった。オンワード樫山では百貨店で展開する「23区」「組曲」「五大陸」などのプロパー販売が低迷し、値引き販売が拡大したため収益性が悪化した。海外ブランドを販売するオンワードグローバルファッションは不採算店舗の整理などによって減収だったものの、営業損益の赤字幅は改善された。自社ECの「オンワードクローゼット(ONWARD CROSSET)」を中心にしたEC売上高は前期比26%増の255億円に達したが、リアル店舗の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
今期(20年2月期)は売上高2560億円(前期比6.4%増)、営業利益55億円(同23.7%増)、純利益55億円(同11.1%増)を見込む。「ジル・サンダー(JIL SANDER)」「ジョゼフ(JOSEPH)」など海外事業の収益改善が寄与する形での増収増益を計画する。