小物使いが生きる春夏のスタイリングで、2019年は布を使ったヘッドアクセサリーが盛り上がる気配を見せています。有力セレクトショップの展示会で目立っていたのは、ヘッドスカーフのディスプレー。「トゥモローランド(TOMORROWLAND)」ではハッピームードの装いにヘッドスカーフを添えていました。今春夏からスタートした新ウィメンズブランド「ユー・バイ・スピック&スパン(U BY SPICK & SPAN)」でもターバン巻きをテーラードジャケットとミックス。夏に向けてレジャーや旅行でも使えそうなヘッドアクセサリーのアレンジ技を磨き上げましょう!
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◆髪を包んで、優美で涼やか ヘッドスカーフの多彩なアレンジ
ヘッドスカーフ使いの先駆け的存在と呼べそうなのが、「ユニクロ(UNIQLO)」とハナ・タジマ(Hana Tajima)氏とのコラボレーションライン「ハナ タジマ フォー ユニクロ(HANA TAJIMA FOR UNIQLO)」でしょう。2019年春夏コレクションでも多彩なスカーフアレンジが提案されています。モデストファッション(ムスリム向けファッション)にも目配りする同ラインだけに、スカーフ使いが巧みです。
ほとんど髪の毛を包み隠してしまうような格好でスカーフを頭に巻くことによって、優美で涼しげに見せる手法が魅力的。今季は中東やアフリカを連想させる“デザート(砂漠)系”の演出が世界的なトレンドとして勢いづいている点でも注目したいところです。
花柄スカーフを後ろで結んで垂らすテクニックは、初心者でも取り入れやすいでしょう。ターバン風にボリュームをこしらえたり、エレガントに垂らしてみたりと、エスニックな風情を醸し出すアイデアには、いろいろなバリエーションがあります。
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◆楽ちん派はデイリー使いしやすいコンパクト巻き
あまり量感を出さずに、カチューシャやヘアバンドのような感覚で気軽に取り入れる選択肢もあります。コンパクトなスカーフにぴったりの使い方です。「スナイデル(SNIDEL)」は人気が続くピンク系の装いをベースに、色味の近いスカーフを頭に巻く“トーン・オン・トーン”のコーディネートに仕上げました。
「ジーユー(GU)」は最初からヘアバンド状態になっているターバンをアクセントに使うスタイリングを提案。大ぶりのイヤリングも添えて、春夏らしい軽快な見映えに。ヘアバンドが視線を引き上げてくれるので、縦長イメージが強まるアレンジです。
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◆真智子巻きでレトロなレディー感
レトロな「真智子巻き」もリバイバルの機会を得ています。ストールで髪と耳を覆う使い方。どこか懐かしげな昭和テイストが着姿にノスタルジーを呼び込んでくれそう。もちろん、色・柄や素材感で現代的にアップデートされています。
女優の仲里依紗さんが披露したのは、デニムの「レッドカード(RED CARD)」とセレクトショップ「エストネーション(ESTNATION)」のコラボレーションルック。ノースリーブTシャツのラフ感と、真知子巻きのレディー感が交差。スカーフのレオパード柄はデニムルックに程よいパンチを加えてくれました。
「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」の2019年プレ・フォール・コレクションでは、ワンピースと生地をそろえたヘッドスカーフが登場。ワンピースのクラシックな雰囲気とも調和しています。次の秋冬に向けては、かつてのファーストレディー、ジャクリーン(ジャッキー)・ケネディ風のスタイルが注目を集めそうで、こういったやや古風な巻き方も見逃せません。
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トレンドがエレガントにシフトする中、ヘッドスカーフはムードを操りやすい切り札的ピースとして存在感が高まっています。新たなエスニック発信地として注目エリアになっている中東・アフリカの空気感をまとうのにも重宝するアイテム。蒸し暑くなるシーズンには、直射日光をブロックしつつ、顔周りを華やかに見せる効果も大。初夏のお出かけや夏フェスルックに出番がありそうです。
ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:
多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。