「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2019年3月期決算は、商品取扱高が前年同期比19.4%増の3231億円、売上高が同20.3%増の1184億円、営業利益が同21.5%減の256億円、純利益が同20.7%減の159億円だった。プライベートブランド(PB)「ゾゾ」における“ZOZOSUIT”配布による広告宣伝費や海外スタッフの人件費増加のほか、18年12月にスタートした有料会員制の割引サービス「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の値引きなどがかさみ、売上総利益率は0.9ポイント悪化した。
これを受け、5月30日での「ZOZOARIGATO」の終了を発表した。「新規会員登録数や商品取扱高が予定を下回っていた。費用対効果の面で思わしくなく、一部ブランドからの評価もよくなかった。今後は価格以外の価値を提供しなければならない」と前澤友作社長。同サービスの代替案として、クレジットカードZOZOCARD事業の再強化を発表した。年会費は無料で、ポイント還元率を従来の2%から5%へ引き上げる。5月30日からカードの申し込み受付を開始する。
PBに関して前澤社長は「新しいことをやりすぎた」と反省しつつも、新たにMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業の開始を発表した。ブランドと協業してサイズ展開が20~50ほどのマルチサイズ商品を開発し、「ゾゾタウン」上で販売する。既にビームスやベイクルーズ、デイトナインターナショナルなどの協業が決定しており、秋から商品を販売する予定だ。初年度の売上高は10億円を目標とする。
さらに、手数料の15%無料化やZOZO IDの連携、顧客データの共有などによる自社EC支援事業の強化や、中国進出を発表。中国進出はソフトバンクとの合弁事業で進出、失敗してから6年ぶりとなるが「以前とはマーケットが大きく変わった。年内、できれば“独身の日”である11月11日には間に合わせたい」と語った。
20年3月期の連結業績予想は商品取扱高3670億円、売上高1360億円、営業利益が320億円、純利益225億円としている。