花王は、2030年までに持続可能な暮らしを達成させるためのESG(環境、社会、ガバナンス)戦略を推進する。30年には環境負荷を軽減できるフィルム包装容器を年間3億個普及させるほか、同社の全拠点でリサイクルできない廃棄物量をゼロにする。
ESG戦略は「キレイライフスタイルプラン」を軸に、3つの柱と19のアクションを掲げる。フィルム包装容器の普及や廃棄物量ゼロのほか、快適性を高めるために全製品を「ユニバーサル プロダクト デザイン」に移行。花王のガイドラインをクリアする新規製品、改良製品の比率を100%にする。さらに、暮らしを向上する製品を10件以上開発する。
同社のデイブ・マンツ(Dave Muenz)執行役員 ESG部門統括は、「『キレイライフスタイルプラン』は、私たちが、国連の開発目標であるSDGsにも示されている社会のサステナビリティ(持続可能性)にどう貢献し、より持続可能なライフスタイルを送りたいという消費者のニーズや願いに、どう応えるかという視点でまとめたもの。消費者の『キレイライフスタイル』の実現を支えていきたい」と述べた。
同社は、17年に「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」をスローガンに掲げ、4カ年の中期経営計画「K20」をスタート。30年までに達成したい姿を「グローバルで存在感のある会社『Kao』」とし、事業の持続的成長と持続的な社会の実現のために、ESG活動をこれまで以上に重視しながら利益ある成長の実現に取り組んでいる。18年は、ESG部門を立ち上げ、プラスチック使用料を前年から9万3100トンを削減した。