繊維大手セーレンの2019年3月期は、売上高が前期比6.9%増の1227億円、営業利益が同1.7%減の105億円、経常利益が同9.5%増の115億円、純利益が同18.7%増の82億円になった。営業利益を除く全項目で7期連続で増収増益だった。アパレル部門でデジタル生産システム「ビスコテックス(VISCOTECS)」を活用したカスタマイズ生産システムの拡販が寄与した。20年3月期は売上高1250億円、営業利益110億円、経常利益110億円、純利益77億円の見込み。川田達男セーレン会長兼CEOは「主力の自動車内装材事業は米中貿易摩擦の影響で、見通しは不透明。今期はアパレル部門を伸ばしたい」と語った。
アパレル部門は売上高が同2.1%増の253億円、営業利益が同40.2%増の10億円だった。増益の理由は、自社開発のインクジェット機を核にした「ビスコテックス」を軸にしたカスタマイズ生産システムの完成により、開発経費がなくなったため。20年3月期も数社への供給開始を計画しており、売上高は同2.4%増の260億円、営業利益が同33.0%増の14億円を見込む。