東京国立近代美術館工芸館は6月30日まで、所蔵作品展「デザインの(居)場所」を開催している。デザイン作品と、工芸作品を合わせた約120点を通して、“デザインの(居)場所はどこ?”という問いに対する答えを国境、領域、時間という3つの視点から考える。
同展は、近代デザインの歴史に目を向け、大量生産の起点をなしたイギリスの産業革命やフランスのアール・ヌーヴォーやアール・デコといった装飾様式、ドイツの美術学校バウハウスの提唱した規格化など、国ごとに作品を展示する。デザインと芸術領域との影響を読み解くために、一品制作で培った技術や知識を安価で量産に適した日常の器作りに活かすことに強い関心を示した陶芸家・富本憲吉の作品などもラインアップ。また、ポスターデザインが一定期間を過ぎるとその役目が終わることに注目し、1953年に開催された「世界のポスター展」に関する小展示も行い、“時間”とデザインの関係を明らかにする。
東京国立近代美術館工芸館は、1977年に開館した赤レンガの重要文化財。日本初の国立美術館である東京国立近代美術館の分館として、建築家・谷口吉郎が改修を手がけた。近現代の工芸およびデザイン作品を全般に総数約3,800点を所蔵し、2020年には石川県金沢市に移転する。
■所蔵作品展―デザインの(居)場所
日程:5月21日~6月30日
時間:10:00~17:00(最終入場時間 16:30)
場所:東京国立近代美術館工芸館
住所:東京都千代田区北の丸公園1-1
入場料:一般 250円 / 大学生 130円 / 18歳未満や65歳以上は無料
休館日:毎週月曜日