「オープニングセレモニー(OPENING CEREMONY)」はニューヨーク(NY)を拠点に活動する写真家、小浪次郎とコラボし、表参道店でインスタレーションを行った。小浪独自のノスタルジックな世界観はファッション業界からも引く手あまたで、これまでに「シュプリーム(SUPREME)」や「ヴァイナル アーカイブ(VAINLARCHIVE)」「ビームス(BEAMS)」「マメ(MAME)」「ブラックアイパッチ(BLACKEYEPATCH)」など、多くのブランドと協業してきた。インスタレーションではNYと東京をインスタントカメラの「チェキ」で撮り下ろした作品を展示し、小浪のアーカイブ作品をプリントした6型のTシャツも販売。6月28日から7月18日には、オンワードホールディングスが東京・代官山にオープンした商業施設「カシヤマダイカンヤマ(KASHIYAMA DAIKANYAMA)」で同インスタレーションを開催する。記念イベントのために来日した小浪に聞いた。
WWD:今回のコラボコレクションに使用した写真をどのように選んだかを教えてください。
小浪次郎(以下、小浪):最近のものから過去のものまでをミックスして選びました。選んだ基準は単純に自分が着たいものです。
WWD:小浪さんといえばフィルムで撮った写真が印象的ですが、フィルムで撮影する良さとは何ですか?
小浪:ある程度はコントロールできるのですが、まだコントロールが効かないところ。思いもよらないハプニングが起こることが、フィルムの良さかなと思います。
WWD:今回のインスタレーションは「チェキ」で撮り下ろしたと聞きました。「チェキ」で撮る時のこだわりと、インスタレーションのコンセプトを教えてください。
小浪:アカデミックな(ポラロイドカメラの)“sx-70”のコラージュが好きなので、その現代版として「チェキ」で撮影したものをコラージュしようと最初から考えていました。NYは「IRAK(アイラク、NYのグラフィティー集団)」のクネル(Kunel)、東京はストリートにいる素人の女の子をモデルに選びました。僕は少し前のNYのストリートカルチャーが好きで、それを体現するのが彼であり、東京の彼女はどこにでもいそうな女の子です。その間にNYと東京の空と街をコラージュして、3枚で1つの作品をイメージしました。
WWD:作品を作る上でもっとも大切にしていることは?
小浪:日常での”気づき”をどう写真に落とし込むか。そしてそれと長く付き合えるかどうか。
WWD:現在はNYを拠点とされていますが、NYに移った理由は?
小浪:東京という街が好き過ぎて、逆にどこかへ行こうと。“love”と“hate”がどこかにないと、その場所で暮らすのは僕の場合は難しいのです。あとは東京での仕事に刺激がなくなったので。NYに移った理由は、チャレンジ精神とそこにいるアーティストが好きだからです。
WWD:NYに移ったことで、作品に変化はありましたか?
小浪:特にありません。
WWD:今回、久しぶりに東京に帰ってきて気付いたことがあれば教えてください。
小浪:若者が元気ですね。若者にもっとシーンを動かしてほしい。今のシーンはまだおじさんが動かしてますよね?特にファッションは。
WWD:今後に向けたプロジェクト(特に2020年に向けて)を教えてください。
小浪:今年は東京で2つの展示に参加します。あと、来年はNYでの個展も控えています。