「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZOの2019年4~6月期決算は、商品取扱高が前年同期比12.5%増の792億円、売上高が同6.2%増の281億円、営業利益が同32.6%増の78億円、純利益が同27.9%増の53億円だった。プライベートブランド(PB)「ゾゾ」縮小による広告宣伝費の減少などが営業利益改善を後押しした。
30日に行われた決算会見では、秋冬から本格化予定のMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業と“ゾゾマット(ZOZOMAT)”の進捗を報告した。過去に“ゾゾスーツ(ZOZOSUIT)”で集めたデータから身長、体重を入力することで20~50サイズから最適サイズをリコメンドするMSP事業は現在PB「ゾゾ」でテスト中。ウェブサイトあるページを閲覧して、その後も離脱せず別のページに移動する割合を指す遷移率は90%を超えているという。本格始動する秋冬には、複数のブランドと協業し、約100アイテムのマルチサイズ商品を販売予定だ。両事業の指揮を執る伊藤正裕取締役は、「PBの経験から、共感・共創・共有という“三共宣言”のもと、あくまでプラットフォーマーとしてブランドと協力していく。“ゾゾマット”も同様で、PBで当社が靴を作るためではなく、適切なサイズの靴の購入や、ブランドと協業してオーダーメイドの靴の製造などに活用する」と語る。6月末に発表した“ゾゾマット”の反響に関しては「“ゾゾスーツ”はモノ自体が話題になってしまい、目的がお客さまに伝わらないこともあったが、“ゾゾマット”に関しては計測データをもとに最適サイズの靴を購入するという結論が伝わっていると感じる」。
4〜6月期を終えて、期初の通期計画に対する商品取扱高の達成率は21.6%、売上高は20.7%、営業利益は24.3%、純利益は23.7%。同社は計画に対して順調と話し、業績予想の変更は行わないという。