ファッション
連載 編集長・向の今日は誰と会って、何食べた?

編集長はオートクチュールで何した?Vol.2 若返った「シャネル」、自信に満ちた「ジバンシィ」、日本人シェフの1つ星フレンチ

 こんにちは。「WWDジャパン」編集長の向千鶴です。気温は毎日10℃以下で石畳の街は底冷えする寒さです。昔はこの街で毛皮のコートが必須だった理由を実感します。今はオートクチュールに集まる人も毛皮を着ている人は少数派。ただしダウンも少数派。ウールのコートが多数派です。下にヒートテックを着ているのかな?

1月21日(火)10:00
「シャネル」がぐっと若返り

 「シャネル(CHANEL)」のヴィルジニー・ヴィアール(Virginie Viard)が自分らしさを全開にしてきました。ガブリエル シャネル(Gabrielle Chanel)が幼少期を過ごしたオバジーヌ修道院の庭園を再現したという会場は、客席を囲むように使い古されたリネンが干されていたり、庭のトマトが少し傷んでいます。「シャネル」の会場演出はこれまでも風景の再現など超リアルでしたが、“少し汚れている”や“傷んでいる”状態を再現するなんて初めてです。このリアルさ、そして修道院から想起する禁欲的なピュアネスがヴィルジニーらしさにつながっています。従来の「シャネル」を愛する女性たちから見ると少し物足りないかもしれませんが、新しいお客さん、特に若い世代から支持されそうです。オートクチュールの顧客は年配者も多いですが、女性が何歳になっても心に内に持つ少女性とも共鳴しそうです。

11:00
「ミュウミュウ」プレ・フォール
展示会が写真NGの理由

 「ミュウミュウ(MIU MIU)」の2020年プレ・フォールの展示会に行ったところウエブやSNSへの写真ポストは全てNGでした。理由を聞くと5月に初めてプレ・フォールのショーを行うから。場所や日程は未定ですが、5月に各ブランドが世界各地で行うプレ・フォール(クルーズ)ショーに「ミュウミュウ」も参戦という訳です。

12:15
「ディオール」のハイジュエリー

 ヴィクトワール・ドゥ・カステラーヌ(Victoire de Castellane)がデザインする「ディオール(DIOR)」のハイジュエリーは、石や色の組み合わせが独創的でファンタジック。女子のハートをギュッとつかみます。今季は2つの石を対向して配置する「トワ エ モワ(あなたと私)」というセッティングを採用しています。石の並べ方にこんなセンチメンタルな名前をつけるあたりがフランス!

13:30
“実用性?そんなの不要”な
「アレクシ・マビーユ」

 オートクチュールに実用性ばかりを求めてはいけません。美しければよく、華やかであればよく、ファンタジックであればよく、“らしければ”よいのです。という考え方を地で行くのが「アレクシ・マビーユ(ALEXIS MABILLE)」。見に来ている顧客も目いっぱいドレスアップしています。ビジネス規模は大きくないでしょうが、デザイナーと顧客双方に幸せな時間だと思うし、ファッションビジネスの原点だとも思います。

19:00
アルマーニに見る
アジアのエッセンス

 「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」にはいつもどこかにアジアの要素が入っています。今季はアジアの織物、イカットが着想源だそう。以前インドネシアを訪れた時、織物や染色の文化の豊かさに触れて “生地それ自体をまとう”感覚が日本の着物と似ているな、と思いました。なんてことを思い出したコレクションです。生地それ自体の豊かな質感や色彩がドレスは雲の上を歩くような軽やかさ本当にきれいです。

20:00
「ジバンシィ」のショーは
ただうっとりと眺めてほしい

 「ジバンシィ(GIVENCHY)」はぜひ動画で見てください。大きな帽子が揺れる様子やシルクタフタをたっぷり使ったドレスの丸いふくらみが、背中を飾る大きなリボン。着るか着ないか、着れるか着れないかなど関係なく、ただ“あ~きれいだな”と眺めていただきたい。バイオリンの生演奏も見どころです。

21:15
1つ星を獲得した
日本人シェフのフレンチへ

 昨年、パリでは日本人がシェフを務めるレストランがなんと6軒も新たに1つ星を獲得したそうです。そんなに!?と驚きつつ、ミーハーとしては話題のお店をのぞいてみたい。そこで友人と6区にある「YOSHINORI」へ行ってきました。夜遅くからにぴったりな優しい味付けで、かつ2皿でも大満足なボリューム感。オススメです。

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