国立成育医療研究センターと生理日予測アプリ「ルナルナ」を展開するエムティーアイが日本女性約30万人の月経周期を調査したところ、年齢によって周期に違いがあることが分かった。月経周期の平均値は25歳ごろに最も長くなり、その後45歳にかけて約3日間平均値が短くなったという。
現在世界で作られている医師向けの教育書に記載されている月経や妊娠についての基礎情報は1950年代の米国のもので、現代のライフスタイルや人種を考慮したものではなかった。そこで両社は、19年5月から共同研究で調査を実施。「ルナルナ」が蓄積している女性の生理周期に関するビッグデータを活用し、月経管理や妊活に役立つよう、現代の日本女性のための分析を行ったという。
調査では、2016〜17年に「ルナルナ」に登録した約30万人の月経周期(約600万周期)の情報をさまざまな角度から分析した。日本産科婦人科学会は“正常月経周期”を25〜38日としているが、今回の調査では年代による差が見られ、“生理が不安定”といわれる10代だと40日周期も珍しくはないが、30代後半女性になると滅多にいなかったという。エムティーアイは「年齢を考慮して月経周期を捉えることを通じて、きめ細かいヘルスケア・医療の提供に役立てられる可能性がある」と述べている。
近年女性のヘルスケアをサポートする“フェムテック”が世界に広がっており、さまざまな製品、サービスを打ち出す企業が増えている。20年の歴史を持つ「ルナルナ」を運営するエムティーアイは今後、自社が蓄積した膨大なデータをもとに、国立成育医療研究センターと「月経と妊娠しやすい体の関係性」を研究する予定だ。