※この記事は2019年10月17日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「桜のジャージーで応援したい」
ラグビーW杯が日本代表の活躍で盛り上がりを見せています。「WWD JAPAN.com」の2019年10月15日の記事「ラグビー日本代表ユニホームが売り切れ続出 追加生産は未定」によると、店頭では日本代表のレプリカジャージーの主要なサイズがほとんど残っておらず、メルカリなどの2次流通でも定価以上の高値で売買されているそうです。
赤と白のボーダー柄の日本代表ユニホーム(桜のジャージー)を手掛けているのは、本場ニュージーランド生まれの「カンタベリー(CANTERBURY)」というブランド。日本ではゴールドウインがグループ会社を通して製造・販売しています。
昨日、東京・外苑前にある「カンタベリー」の旗艦店を訪ねたところ、キッズサイズ数点とアウェイ用の黒いユニホームが少し残っているだけでした。お店のスタッフに聞いても、入荷予定は未定とのこと。私は5分ほどの滞在でしたが、その間、2人のお客さんが同じ問い合わせをしていました。
ゴールドウインは4年前のW杯イングランド大会の15倍に相当する20万枚を生産して、日本大会に臨みました。この場合、あらかじめの生産量が重要です。レプリカとはいえ、オリジナル開発のテキスタイルを使って、高度なパターン設計で作られるユニホームは、工場に発注して数日で簡単に生産できるものではないからです。それでも「品切れさせるなんて、そもそもの見通しが甘かったのでは」という声も一部であるようですが「20万枚」はかなりチャレンジングな数字です。
さかのぼること17年前。やはり地元開催だった2002年のサッカーW杯の日韓大会で、日本代表の青いユニホームを競技場の外でも大勢のサポーターが着ていた光景を覚えている人も多いでしょう。あのときの「アディダス」製の日本代表のユニホームは約60万枚を販売しました。SNSの発展など時代環境の違いはあるものの、日本におけるラグビーとサッカーの競技人口やサポーター人口、認知度を勘案すれば、20万枚はけして少なくないと思います。 計算違いがあったとすれば、日本代表が期待をはるかに上回る活躍をしたことでしょう。選手たちの奮闘ぶりに心を揺さぶられ、ラグビーのルールはよくわからないけれど、とにかく応援したい気持ちになった。そんな人が多いはず。私もそんな一人です。
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