昨年大ヒットした映画「天気の子」が1月から全米で公開されて評判を集めている。雨ばかり続く異常気象の東京を舞台に、過酷な現実に翻弄されながらも自分の生き方を選択する少年と少女を描いた同作品。新海誠監督ならではのストーリーテリングや圧倒的な風景描写もさることながら、気候変動という今日的なテーマが国や世代を超えて関心を呼ぶ。(この記事はWWDジャパン2020年2月3日号からの抜粋です)
気候変動は映画の中だけのお話ではない。ファッション業界にとっては目の前の現実である。この数年で猛暑と暖冬、大型台風の頻繁な上陸は、もはや異常気象というよりも常態化した。特に現在進行形の秋冬商戦は多くのアパレルブランドが気候変動に苦しんでいる。
昨年10月の消費増税の影響はあらかじめ想定していたが、さらに追い打ちをかけたのが暖冬だった。増税による買い控えが少しずつ和らぐはずの11月、12月に寒くならず、豪雪地帯のスキー場でさえ営業中止に追い込まれるほどの記録的な暖冬になった。勝ち組といわれたユニクロさえも秋以降は前年実績割れが続く。
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