※この記事は2019年9月11日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
#モードって何?
このレターを初めて2カ月近くなりますが、今日はこれまでで一番「IN FASHION」っぽいタイトルだな、と我ながら思います。このレターを受け取る皆さまの大部分はファッションが好きだったり、ファッションに関心があったりすると思います。そんな皆さまにお伺いしたいです。モードって何でしょう?皆さんなら何と定義しますか?
始まりは、2019年4月に発行した特集「業界基礎知識AtoZ」の制作過程でのことでした。SNSを通じてユーザーから「WWDジャパン」への質問を募ったところ、「つまるところ、モードって何ですか?」とか「モードってどういう意味ですか?」という質問が届きました。
いざ回答を書こうとPCに向かうと、これが結構な難題で……。「モード」はフランス語であり、英訳したら「ファッション」になるけど、「ファッション」のニュアンスだけでは説明は不十分。ファッションの歴史をひも解きつつ、時代背景を反映して、むにゃむにゃむにゃ。悩ましいです。
分からないことはその道の人に聞きに行け、が記者業の鉄則。という訳で9月16日号ではズバリ「モードって何?」をテーマに特集を組み、30人超の方たちへこの問いを投げかけています。デザイナーや経営者、クリエイターにこの質問を毎日ぶつけるうちに、ボンヤリとしていた輪郭が少しずつクリアになってきて、校了まであと2日の今、何かしらの結論にたどり着けそうなところまで来ました。若干、悟りの心境です。
そんな中、本日力説させていただきたいのは、ファッション研究者や学者と言われる人たちの存在の大切さです。「研究者?ファッションビジネスを実際にしていない人が机上で何言ってやんでい」と思う方は少なくないと思います。それこそメディアは服を売らない仕事ですが、そんなメディアを生業にする私ですら、そう思う節はありましたから。でも、私が間違っていました。今回の取材を通じて学者たちの言葉からもらうキズキはとても多かったです。
ビジネスに追われるとどうしても近視眼的になりがち。せいぜい半年先のことしか考えられないなんてフツウだと思います。私なんて来週号のことで頭がいっぱい!研究者たちは事象を鳥の目で俯瞰し、過去と現在の検証の先に未来を描いています。そしてそれを言葉にします。彼らと話すことで行き詰った思考に風穴が開く瞬間がある、そんな経験を何度もしました。だから、これらはぜひ読んで欲しいのです。きっと皆さまにも何か発見を得てもらえると思います。
IN FASHION:パリコレもストリートも。ジュエリーもインテリアも。今押さえておきたい旬なファッション関連ニュースやコラムを「WWDジャパン」編集長がピックアップし、レターを添えてお届けするメールマガジン。日々の取材を通じて今一番気になる話題を週に一度配信します。
エディターズレターとは?
「WWDジャパン」と「WWDビューティ」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在9種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。