ビューティ
連載 インフルエンサー美容師の売れる秘訣

ヘアトリートメントを武器に“美髪ケア”で注目を集める 「ミンクス」の人気美容師の戦略とは?

 人気美容師が集まるヘアサロン「ミンクス(MINX)」でトリートメントを武器に売り上げを伸ばしている山内ヨシヒロ=トップデザイナー。独自にトリートメントメニューを考案するなどこだわりも強い。月間最高売り上げは252万円。ヘアトリートメントに特化したインスタグラムのフォロワー数は1万超えと、「ミンクス」の中でも注目を集めている。今回、その戦略を聞いた。

WWD:山内さんはインスタグラムでヘアトリートメントの画像を多く投稿しているが、それを始めたきっかけは?

山内ヨシヒロ(以下、山内):最初はフェミニンなヘアスタイルを投稿していたんですが、「ミンクス」はベテランも新人もカット料金が一律(平日6300円、土・日・祝6500円)なんです。それで新人の僕が指名してもらうには差別化することがポイントだと思い、当時「ミンクス」内で打ち出している人がいなかったヘアトリートメントに特化するようにしました。トリートメントのビフォア、アフターなどは反応がよく、基本は分かりやすいようにロングのバックスタイルでビフォア、アフターを掲載します。インスタグラムを見て月20~40人ほど新規で来てくれています。今は“美髪ケア”をキーワードに、実際のお客さまを撮影させていただき、1日1~2点投稿しています。

WWD:月の最高売り上げは?

山内:252万円です。トリートメント比率は92%で、ほとんどのお客さまがトリートメントメニューを希望してくれるようになりました。カット&トリートメントが多いんですが、トリートメントだけで来てくれるお客さまもいらっしゃるので、来店周期も短くなります。またトリートメントメニューも高いものだと1万5000円ほどで単価アップにもつながります。

WWD:山内さんが考案したトリートメントが「ミンクス」で公式にメニュー化されたとか?

山内:そうです。「ミンクス」ではミルボンの「オージュアトリートメント」がメインだったのですが、他メーカーからもサンプルを取り寄せ、トリートメント効果が「飛躍的に長持ちする」独自のメニューを考案しました。最初は僕だけの限定メニューとして打ち出していたんですが、すごく好評で今では全店でメニュー化されています。

WWD:今はインスタグラムをメインに集客しているが、いつから始めた?

山内:スタイリストデビューの半年前から始めました。もともとアシスタント2年目からブログを書いていて、記事本数は月に35本と日課にしていました。毎日のサロンワークでお客さまの悩みや疑問などを聞いていたので、それをもとに記事を書いていました。1カ月で10万PVもいくこともあって、それがきっかけでドコモのCM出演やメディアのオファーなどにつながったので、よりダイレクトに集客ができるインスタグラムを始めました。ただ今後はインスタグラムも1つの軸だけでは限界がくると思うので、トリートメント以外にも別のアカウントを開設する予定です。

日本一の美容室で働きたくて
「ミンクス」を選んだ

WWD:もともと山内さんが「ミンクス」に入社しようと思ったきっかけは?

山内:せっかく美容師をやるなら日本一の美容室でやりたいと思い、美容専門学校の先生に「日本で一番の美容室はどこですか?」と聞いたら「ミンクス」だと言われて志望しました。

WWD:スタイリストデビューにはどれくらいかかった?

山内:丸5年かかりました。同期の中では2番目の早さでした。最近は教育カリキュラムも変わって、丸3年がスタイリストデビューの平均となっています。

WWD:「ミンクス」はスタイリストデビューするためにモデルカットの人数も多い印象だが。

山内:当時はモデルカット200人でした。最近はSNSでモデルハントする美容師もいますが、僕はリアルな方が実際にお客さまになってくれやすいと思い、街でモデルハントしていました。それもあって当時は「ミンクス」全店でデビュー初月指名売り上げ1位を達成できました。

WWD:今後の目標は?

山内:売り上げでいえば350万~400万円は目指したいです。一方で最近は週に1日、サロンワークをやらずにオフィスに出勤しています。そこで「ミンクス」の公式アカウントの運用なども任せてもらっていて、スタッフのSNSのサポートなども行っています。自分のことだけではなく、若手スタッフのサポートもしっかりとしていければと思っています。

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