ファッション

六本木「ツタヤ」が「蔦屋書店」にリニューアル 日本に特化した売り場やバーラウンジで新たな文化の発信拠点に

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は、東京・六本木ヒルズの「ツタヤ トウキョウ ロッポンギ(TSUTAYA TOKYO ROPPONG)」を「六本木 蔦屋書店」として3月7日にリニューアルオープンする。レンタルスペースを廃止し、書籍・雑誌とその他の物販、カフェスペースを拡張する。またアルコールメニューを提供するバーとラウンジスペースを新設し、来客の交流拠点・カルチャーの発信地を目指す。

 前身の「ツタヤ トウキョウ ロッポンギ」は、「スターバックス コーヒー(STARBUCKS COFFEE)」を併設した「ツタヤ」初のブック&カフェとして2003年に誕生した。「ツタヤ」のライフスタイル提案が詰まった新業態として開発され、現在の「蔦屋書店」業態の原型となった。

 リニューアルでは店舗のアイデンティティーである「スターバックス コーヒー」とのブック&カフェを継続しつつ、“本屋”としての役割を強める。2階にあったCD・DVDのレンタルスペースをなくし、店全体で約7万冊の書籍・雑誌を用意する。また外国人居住者が多い同エリアの特性を踏まえて約3万冊の洋書・洋雑誌を扱うほか、ファミリー層のニーズに応えて絵本コーナーを拡大し、プレースペースも設ける。

 書籍・雑誌以外の物販も増やし、ライフスタイル型ショップを色濃く打ち出す。“日本を持ち帰る”をコンセプトに日本土産や文房具、ギフトなどを扱う売り場や、サステナブルな価値観を発信するファッショングッズ売り場などを企画する。サステナブル売り場の担当者は「六本木は名だたるブランドを持つことがステータスという人も多い。しかし、時代に見合った新たなメッセージとして“環境に優しい生活”を提案したい」と話す。

 「カルチャーのインフラ」を掲げるCCCらしく、気鋭アーティストの作品を展示・販売するアートスペース「ブック ギャラリー(BOOK GALLERY)」も新設する。広報担当者は、「実店舗の良さは、デジタルにはない思いがけない出会いにある。偶然手にした本に人生観を変えられたり、たまたま見たアートに心を打たれたりする場になってほしい」と語る。同スペースのこけら落としとして、ストリートアートやファインアートなどの研究・制作で知られる大山エンリコイサムの展覧会を行う。

 2階に設けたバー&ラウンジ「ザ ラウンジ(THE LOUNGE)」はベーシックなカクテルメニューから絵画をイメージしたスペシャルドリンクまで、バラエティーに富んだメニューを用意する(価格帯は600〜2500円前後)。ラウンジスペースはチャージ料金が必要で、ゆったりくつろぎたい客の利用を見込む。

 店舗デザインは、「代官山 蔦屋書店」のデザインも手掛けた建築ユニットのクライン ダイサム アーキテクツが担当。「蔦屋書店」の既存店舗は木の温もりを感じられるナチュラルテイストが多いが、同店は白と黒のコントラストが特徴のデザインを採用した。「黒は漆、白は障子をイメージしており、日本の様式美を大切にした」とクライン ダイサム アーキテクツは説明する。

■六本木 蔦屋書店
開業日:2020年3月7日
営業時間:7:00〜24:00(「ザ ラウンジ」は10:00〜24:00)
場所:六本木ヒルズけやき坂通り1〜2階
住所:東京都港区六本木6-11-1

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