※この記事は2019年9月4日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「個」の時代に「組織」のコミュニケーションじゃダメ
敏感な方はもうお気づきかと思いますが、「WWD JAPAN.com」は最近、「個」を打ち出しています。このEditors’ Letterでも、幾度となく、そんな話をしていますね。実際、「個」がにじみ出ている記事、「個」に迫った記事は、PVという指標で見ると他と大差ない場合も少なくありませんが、滞在時間(私たちは、これをTET、Total Engagement Timeと呼んでいます)という指標で評価すると「高パフォーマンス」なコンテンツが多く、手応えを感じ始めました。2019年9月2日号発売の「WWDジャパン」を読んでも、時代が「個」に変わってきたことは明快でしょう。
先週末は、インフルエンサーが本当に買ったアイテムを販売するEC「フォーシュア(FOR SURE)」のオープニングパーティーにお邪魔しましたが、改めて「インフルエンサーって、しっかりしてるわぁ」なんて、オバちゃんみたいな感想を抱きました(笑)。インスタグラムの世界で企業ができるのは「ブランディング」、彼女たちができる&フォロワーが欲しているのは「実体験に基づくオススメ」や「ニーズに即した比較購買」などと理解しており、画像、キャプション、ハッシュタグなど投稿にまつわる全てをそちらに寄せていくのです。パーティーでは、彼女たちのトークセッションも開かれました。「インスタグラマーなんて、カワイイだけの女の子だろう?」とタカをくくっているオジさん(まだ多い)、「フォロワーが多い子、囲ってますよ!!1投稿、●万円〜です!!」なんてビジネスをしている代理店(まがい。正直、迷惑)に、見せてやりたかったくらいです(笑)。
「FOR SURE」を手掛ける企業のCEOとは時々、「なぜ、今もインフルエンサーって、軽んじられてしまうんでしょう?」という話になります。もちろん、「プロじゃないなぁ」と言わざるを得ない子は、(減ってきた印象ですが)少なくありません。AMIAYA級のインフルエンサーの着用画像から実売を狙うのは難しい話で(彼女たちは、SNS界の純広告的な役割を担っているとお考えください)、そこを理解しないままミスマッチングを起こし、結果インフルエンサーを正しく捉えられないケースも頻発している印象です。けれど一番のポイントは、「個」の時代であると認識しているからこそのSNSなのに、「組織」としてのコミュニケーション術で彼女たちと接しているから。個性を認識しないまま“一括り”にして同様の投稿を強いる企業、個性を学ばないままフォロワーの数でインフルエンサーをアサインする代理店が減らない限り、彼女たちは正しく理解されません。
さぁ、どうしたら、正しく理解してもらえるでしょう?
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