※この記事は2019年9月6日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから。
「ナンバーワン」の強さ
先日、ファーフェッチ(FARFETCH)のジョゼ・ネヴェス(Jose Neves)CEOにインタビューする機会に恵まれました。その中身は、弊社のECスペシャリスト2人によるファッション週刊紙「WWDジャパン」の記事に譲りますが、僕にとって強く印象に残ったのは、ラグジュアリーECの世界で「ナンバーワン」であることにプライドを持っているし、今「ナンバーワン」であることはさらなる成長への絶対的な武器であると確信しているな、ということでした。
アジア市場の存在感が増す中、多くの会社が越境ECに取り組み、支援サービスやアプリ、プラットフォームも多数登場しています。弊社でも度々記事にしていますが、そんな時常に思うのは、「こんなにいっぱい、サービスいる?」ということ(言っちゃったw)。中国向けの越境ECだけでサービスはゴマンとあり、ハッキリ言って僕にはもう、それを覚え、違いを認識することは不可能です。
実際、中国のユーザーはどうなのでしょうか?ファーフェッチが手を組むJDドットコム(JD.COM)やインアゴーラとかには慣れ親しんでいるでしょうが、その中に出店する各店となると、認知しているのはきっと数店舗でしょうね。マーケティングの世界では、消費者の記憶に残る上位数社にならない限り、購入時の選択肢として浮上できないと言われますよね?数多あるサービスから選ばれるのは、その中にある店舗の中から中国の消費者に出合えるのは、きっとわずか数店舗。生存競争は苛烈です。もはや星の数ほど存在する店舗という存在を前面に押し出す形での進出は、限界なように思います。
しかも、それは中国だけの話。東南アジアはどうしましょう?中東は?インドやアフリカは?異なる国に進出するたび、異なる越境ECと手を組むのだとしたら、もうその手続きは煩雑すぎて……。
だったら、ファーフェッチでオールクリア!がラクじゃないか、と思うのです。
これまでは世界のブティックをつなぎ、「オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」に代表されるニューガースグループ(NEW GUARDS GROUP)の買収でブランドを手に入れ、今後は「ハロッズ(HARRODS)」や「シャネル(CHANEL)」などのリアル店舗やECを手掛けるファーフェッチとタッグを組めば、ラグジュアリーの世界ならみんな知ってるし、中国も、タイも、ベトナムも、一発クリアだよ!僕なんかはそう思ってしまうワケですが、ジョゼさん、「ナンバーワン」であり続けることができれば、僕のように考える人が増え、ファーフェッチはもっともっと大きくなれる、その確信を持っているような気がしました。
「ナンバーワン」であることは、夢を描くに際しても強いなぁ。早く、何かでナンバーワンになりたい!そう思った次第です。
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