みなさま毎シーズンお待ちかね(?)の“ベストケータリング賞”発表の時がやってまいりました!1月の2020-21年秋冬のパリ・メンズ・ファッション・ウイークでも、バックステージ取材中にケータリング調査という名目でつまみ食いの任務を遂行してきました。前季、予告なしに「キディル(KIDILL)」のケータリングについて書いたところ、末安弘明デザイナーから後日「まさかケータリングを評価されるなんて!」と驚きの声が届きました。狂おしいほどのスイーツ愛を持つ末安デザイナーは今季、かなり気合を入れてケータリングを用意されたようですが、残念ながら都合上伺えず……。末安デザイナーを含め、今後パリコレに参加予定の日本ブランドは、抜き打ちでケータリングをチェックさせていただきますのでどうぞ覚悟してください(笑)。それでは、今季バックステージ取材に行った5ブランドのケータリングを勝手にランク付けさせてもらいます。
最下位:BODE
ん?ケータリングはいずこに?
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ケータリングのスペースがなんとも寂しい感じの「ボーディ」。パリのケータリングとしてはおなじみのベーカリーレストラン「ル・パン・コティディアン(LE PAIN QUOTIDIEN)」のサンドイッチとパティスリーが置かれていたようですが、どうやら量が全然足りなかった様子。私がバックステージに到着したのはショー開始1時間前でしたが、ドリンクしか残っていない状態でした。バックステージではモデルがメイク&ヘアを施されながらケータリングを口にするのが通例です。合間にヘアメイクの担当者とスタッフもつまんだりするのですが、聞ところによるとほとんど何も食べられなかったとのこと。腹が減っては戦はできぬ!スタッフへの配慮として、ケータリングの質と量はブランド側が考えなければならない大切な要素です。まだショーを始めて2シーズン目なので、次回に期待します。
4位:TAAKK & DOUBLET
ケータリングの乱れは心の表れ?
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同点4位は、今季初のパリコレに臨んだ「ターク」と「ダブレット」です。どちらもスーパーやベーカリーで購入した数種類のサンドイッチ、スナック菓子、フルーツが並んでいました。ケータリングとしては無難で決して質が低いわけではありませんが、ちょっと散らかっているのが気になりました。ケータリングの乱れは心の表れ?デザイナーの2人はパリでのショーは初挑戦だったので、次回以降はもっと整うのかも。
ちなみに、ファミリーレストランを模した「ダブレット」の会場内には、おいしそうなフードサンプルがたくさん飾られていました。もしもこれらがケータリングだったら、間違いなく“ベストケータリング賞”殿堂入りです!
2位:BOTTER
専用スタッフを配置する気遣い
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「ボッター」は「ル・パン・コティディアン」にケータリングを注文したようです。ショー開始は20時30分、集合は17時とディナー前ということもあり、スイーツ系のパティスリーが中心でした。ケータリングスペースを担当するスタッフがいたようで、なくなったら加えたり、ドリンクを注ぎ足したりしていました。ケータリングの内容というよりも、専用スタッフを配置する気配りに高評価です。
1位:RHUDE
LA流のヘルシーなおもてなし
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今季の“ベストケータリング賞”は「ルード」に贈呈します。用意されていたのはケータリング会社のル・ケータリング・パリジャン(LE CATERING PARISIEN)の健康的なベジタリアンメニューです。旬の食材を使った料理が定評で、メゾンブランドも顧客に持っています。
この日はルッコラとナスがメインのサラダ、レンズ豆のサラダ、トマトとルックコラのサンドイッチ、黄色いケーキのように見えるのはブロッコリーが入ったキャロットケーキでした。「ルード」は、健康意識が高くウェルネス系のトレンド発信地であるロサンゼルスを拠点にしているということもあって、このような健康的なメニューだったのかもしれません。パリでのショーのためにケータリングについて調査した上で、ル・ケータリング・パリジャンを選んだのでしょう。その配慮が“ベストケータリング賞”の決め手となりました。今後ブランドが成長したら、もっと豪華なケータリングをつまみ食いできるかも。お腹を空かせて、またバックステージに潜入してきます!