ファッション

エリザベス女王も選んだグリーンの装い TV会議で相手にも爽やかな空気を運んで

 イギリスのエリザベス女王は国民に呼びかけるメッセージ動画の中で、明るいグリーンの服を選びました。グリーンは植物の色であり、気持ちを落ち着かせる働きがあるといわれています。家ごもりの時間が長くなっても、自然ムードを象徴する緑をまとえば、気持ちが伸びやかになれそう。グリーンのトップスでテレビ会議に臨めば、相手にも爽やかな空気を運んでくれます。これまでグリーンに苦手意識の強かった人も、若々しさやサステナビリティ感を印象づけやすい色なので、この春夏は試し甲斐があります。

 「ルプコ(RPKO)」は異素材や色の濃淡を生かして、深みを帯びたグリーンルックに仕上げました。緑はドレープやタックから生まれる陰影と好相性を発揮するので、ディテールに凝った服を、いっそう趣深く見せてくれます。今回は国内ブランドの最新ルックから、おすすめのグリーンコーデをピックアップしてみました。

シャツワンピースで縦長シルエット

 自然体の気分をまとうなら、体を締め付けないシャツワンピースを候補に加えましょう。グリーン特有の伸びやかな雰囲気と、シャツワンピースの気負わないムードがしっくり調和。リラクシングな着映えに導いてくれます。

 「アンスリード(UN3D.)」は深いグリーンのシャツワンピースを、白いワイドパンツの上に重ねました。両サイドが切れ上がっているので、落ち感が強まる仕掛け。緑と白のコントラストがさわやかなムードを生んでいます。ウエストに太ベルトを巻いて、めりはりを印象づけました。

 写真2枚目の「ライフ ウィズ フラワーズ(LIFE WITH FLOWERS.)」は、スリーブレスワンピースとボトムスのセットアップでのコーデです。白地と組み合わせたチェック柄で涼やかなテイストに。盛り上がる英国調を思わせるグリーンのチェックはクラシックなムードも呼び込んでくれます。

ボトムスなら手持ち服になじみやすい

 グリーンは割と目立つ色なので、着慣れないうちは、ボトムスへの1点投入から始めるのがおすすめ。透けるタイプやくすんだトーンなら、手持ちのワードローブにも合わせやすいでしょう。

 「コンバース トウキョウ × ミュベール(CONVERSE TOKYO x MUVEIL)」のスカートは、レース仕立てでエアリーなたたずまい。透け感のおかげで、グリーンの爽やかさがさらにアップ。ジャケットとパーカでプレッピー風にアレンジしました。カーキの「コンバース」で軽快な足元に整えています。フェミニンなスカートと、ストリート寄りのパーカがずれ感を引き出しています。

 写真2枚目の「ユウミアリア(YUUMIARIA)」はグリーンのロングスカートですが、渋めの色味だから、ジェンダーレスな雰囲気。後ろ姿の裾に、スウェットTシャツを上下逆に縫い付けたようなリメイク風のトリッキーなデザインです。緑と白が互いに引き立て合うコントラストが効いています。

元気系グリーンで自然な脚長ルックに

 高発色のグリーンを、パンツに迎えると、チアフルな装いを組み立てられます。レッグラインを健康的に見せる効果も期待できそうです。

 「77 サーカ(77 CIRCA)」はグリーンパンツを主役に据えて、カラーブロッキングを組み立てました。ブルゾンはブルー、トップスの襟回りはイエロー、そしてサンダルはピンク。全体にポジティブな色合わせで、装いにエナジーを注ぎ込みました。緑と青は大自然を象徴するカラーだから、天然色コーデに仕上がります。

 グリーンの穏やかな雰囲気を逆手に取って、スリリングな着こなしを仕掛ける選択肢もあります。写真2枚目の「パメオポーズ(PAMEO POSE)」はグリーンのセットアップを軸に据えつつ、ストライプ柄生地で大胆な切り替えを施しました。インナーのビスチェとパールモチーフの巾着バッグでゴシックロマンティック気分を投入。チャレンジングなコーデを、グリーンのベースカラーがまとめ上げています。

 グリーンの効果はまるで「着るマインドフルネス(瞑想)」。コーディネートに組み入れれば、さわやかで涼しげな雰囲気がアップします。周りの人の気持ちもなごませるパワーがあるグリーンを生かして、大変な時期の装いに安らぎを寄り添わせてみてはいかが。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い

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