三越伊勢丹ホールディングス(HD)は、名古屋駅前のサテライトショップ「イセタンハウス」の営業を8月31日で終了する。同店は三菱地所の複合ビル「大名古屋ビルヂング」の核テナントとして2016年4月に開店。地下1階〜地上2階の売り場面積2970平方メートルにウィメンズ、メンズの先端的なファッションをそろえていたが、販売は軌道に乗らず、新型コロナウイルスの感染拡大の前から撤退が取り沙汰されていた。
イセタンハウスは、東京・六本木の「イセタンサローネ」、丸の内の「イセタンサローネ メンズ」とともに伊勢丹新宿本店の高感度なファッションを凝縮したサテライトショップとした開発された。三越伊勢丹HDは名古屋最大の商業地である栄エリアに名古屋三越を展開するものの、近年発展が目覚ましい名駅エリアには店舗がなく、イセタンハウスは新しい拠点の役割を担っていた。名駅エリアではジェイアール名古屋タカシマヤによる「タカシマヤ ゲートタワーモール」が17年4月に開業するなど、競争が激化していた。
三越伊勢丹HDは11日に行われた20年3月期の決算会見で、新型コロナによる減収に伴い、一層の構造改革を進めると表明していた。