玉川高島屋ショッピングセンター(東京・二子玉川)は14日、全館営業を再開した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が発令された4月7日からは地下の食品フロアのみの営業していた。同日、立川高島屋ショッピングセンター(東京)と柏高島屋ステーションモール(千葉)も営業を始動した。
開店時刻の10時30分。本館1階の正面玄関では行列ができることなく、ぱらぱらと客入れが始まった。客は手に消毒液をつけたあと、スタッフによる検温を終えて店内に入る。受付のカウンターやテナントのレジなどはビニールシートで覆われている。休憩所の椅子やソファーは間隔を空けて座るように、シートに張り紙が貼られた。アパレルや靴の売り場でも販売員が積極的に客に声をかけることはせず、接客を最小限に抑える方針を出した。
今回、営業を再開したのは“生活必需品”の売り場。衣料品、靴、バッグ、リビング雑貨などが対象で全体の6割ほどになる。ラグジュアリーブランドなどの特選、宝飾、呉服、美術などは含まれていない。衣料品のフロアでも営業を見合わせたままのブランドが点在する。品ぞろえをよくみると本来5月の店頭からは外される春物が多く残っていたり、テナントのセレクトショップでは一部で「スペシャルプライス」と銘打った値引き販売を行っていた。地元の主婦は「いま着られる服がなくて困っていた。ようやく営業してくれてうれしい」と話した。
視察に訪れた高島屋の村田善郎社長は「地元のお客さまに密着した玉川店ような店舗は、生活必需品に対するニーズが高い。食品売り場を営業し続けたことで感謝の声がたくさん寄せられていた。(東京都は現時点で特別警戒都道府県から除外されていないが)感染防止に向けた環境整備のメドがついたため再開を決断した」と話した。