新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界中で不透明な状況が続いている。そんなときに、ファッションは何ができるのか。生産者から販売員まで業界全体が不安を抱えている状況に、ファッションデザイナーたちは何を思うのか。日々変化する状況に対応しながら、それでもファッションの力を信じ続けるデザイナーたちの声を連載で紹介する。今回は、「アカネ ウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)」の蓮井茜デザイナーが登場する。
AKANE UTSUNOMIYA
蓮井茜デザイナー
Q.今、デザイナーができることは?
A.新型コロナウイルス感染拡大の影響はすでにファッション業界の広範囲にわたっており、長期に及ぶと感じている。私たちも次の展示会スケジュールや、イタリア製の生地も一部に使っているので商品の納期も確定できず、これまで予定通りに進めるのは困難になりつつある。そんな不安が続く状況で私にできるのは、たとえ手探りでも製作を続けること。コレクションは、多くの人との関わりがあってこそ完成する。その人たちがどれだけ愛情を持って仕事に取り組んでいるかを知っている。だから、その気持ちを途切れさせたくない。デザイナーとして、チームの一員としてポジティブに物作りを続け、みんなで手探りしながら前に進みたい。まずはコミュニケーションを大切にし、いつも以上に情報の共有や対策についての話し合いをしていきたい。音楽を聴いたり、花を飾ったりするように、洋服は人を豊かな気持ちにすると信じている。