「グッチ(GUCCI)」によるグローバルプロジェクト「チャイム フォー チェンジ(CHIME FOR CHANGE)」は、ケリング ファウンデーション(Kering Foundation)と協力して、新型コロナ禍で増加している女性への暴力を含むジェンダーの不平等に立ち向かうキャンペーン「#StandWithWomen」を立ち上げた。同キャンペーンはイタリアやイギリス、アメリカ、ブラジル、中東などに拠点を置く、女性と少女を支援する非営利団体の資金拡大を目的としたもの。この活動への参加は、アメリカのNGO団体「グローバル ギビング(Global Giving)」が運営するクラウドファンディングサイト内から可能だ。
国連機関「UN Women」と世界保健機関(WORLD HEALTH ORGANIZATION、WHO)によると、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界的に家庭内暴力(以下、DV)の事例が増加しているという。これはグーグル トレンド(GOOGLE TRENDS)のデータでも確認されており、5月2日時点でDVに関連する検索が143%増加している。
この状況を受け、サルマ・ハエック・ピノー(Salma Hayek Pinault)「チャイム フォー チェンジ」共同発起人兼ケリング ファウンデーション理事は、20日のキャンペーン開始に合わせてメッセージ動画を公開。医療や他のリソースへのアクセスが制限されている今、有色人種、トランスジェンダー、先住民族、障害者を含む全ての女性の安全と健康、正義のために立ち向かう姿勢を明らかにした。そして、「今こそ世界中の女性と少女の健康や安全、人権を守るために共に取り組むべき。私たちはジェンダーによる暴力を廃絶するため、あらゆる場所にいる女性と連帯している。ジェンダーの平等を求める長い闘いの中で築いた進歩をここで止めてはいけない」と語った。
ケリング ファウンデーションはこれまでも中国、イタリア、フランス、アメリカでの新型コロナ感染拡大による被害への支援を呼びかけ、「グッチ」は「団結して共に危機に立ち向かおう(We Are All In This Together)」というメッセージをインスタグラムの公式アカウントなどに掲載し、200万ユーロ(約2億3400万円)を寄付した。また「#YouAreNotAlone」という啓発キャンペーンにも取り組んでおり、DVサバイバーの女性に情報などを提供したり、支援を受けられる欧米の専門機関を紹介したりしている。