新潟県湯沢町の苗場スキー場で8月21〜23日に開催を予定していた国内最大級の音楽フェス「フジロックフェスティバル '20(FUJI ROCK FESTIVAL '20)」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、24回目にして初の完全中止になることが公式サイトで6月5日に発表された。購入済みのチケットは払い戻し、もしくは「フジロック '21」で使用可能な対応をしていく。4月初旬に「アラバキ・ロックフェス(ARABAKI ROCK FEST.)」や「ジャパン・ジャム(JAPAN JAM)」が中止を発表する中、「フジロック」は4月3日に全29組の第2弾出演アーティストと日ごとのラインアップを発表するなど、開催への意気込みを示していた。
「フジロック '20」は、初日にテーム・インパラ(Tame Impala)、2日目にはザ・ストロークス(The Strokes)がヘッドライナーを務め、最終日はデビュー50周年を迎えた忌野清志郎 Rock'n'Roll FOREVERと電気グルーヴの2組がダブル・ヘッドライナーとして出演する予定だった。忌野清志郎 Rock'n'Roll FOREVERは、UAや奥田民生、甲本ヒロト、チバユウスケ、Char、トータス松本らをゲストに迎えたライブも準備していた。
1997年に始まったフジロックは、日本のロックフェスティバルの先駆け的存在として知られ、昨年は3日間で13万人を動員。過去にはニール・ヤング(Neil Young)、エミネム(Eminem)、4度のヘッドライナーを経験している常連のケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)のほか、ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)率いるN.E.R.Dなど、毎年世界的なミュージシャンが多数参加している。
フジロックを運営するスマッシュの日高正博代表は「本当にゴメン、今年のフジロックは開催しないことを決めた。出演してくれるバンドやスタッフ、関係者、なにより苗場まで来てくれるお客の健康と安全面を考え、主催者として今年の開催を進めることはできないと決心した。数カ月の延期も考えたが、苗場は9月になれば朝晩はストーブをつけるほどの寒さになり、11月には初雪が舞い始め、4月までは雪が残っている。早くからチケットを買ってくれた人達、本当にありがとう。君たちによってフジロックが支えられていることを本当に感謝する。来年は今年の分も含めた2年分のエネルギーで楽しもう。そして、今年のチケットを購入してくれた人たちに、記念になるような面白いプレゼントも考えている。こんなときだからこそ、フジロックでみんなと少しでも勇気と元気を分かち合えたらいいなと思っていたけど、本当に残念だ。『幻のフジロック '20』」とコメントした。