ケリング アイウエアは「クロエ(CHLOE)」と、アイウエアのデザイン、生産、販売におけるパートナーシップ契約を締結した。ファーストコレクションは9月にパリで行われる予定の国際眼鏡展「シルモ(SILMO)」で発表した後、来年1月に発売される予定で、ウィメンズのサングラスと眼鏡フレームのほか子ども用もある。「クロエ」のアイウエアはこれまでの9年間、アメリカのマーションアイウエア(MARCHON EYEWEAR)が手掛けていた。
2017年に設立されたケリング アイウエアは、イタリア・ベニスから約1時間の場所にある17世紀に建てられたヴィラに本社を置き、「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」などケリング傘下のブランドのアイウエアを内製している。「クロエ」を傘下に持つコンパニーフィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINACIERE RICHEMONT以下、リシュモン)と17年に資本提携し、すでに「カルティエ(CARTIER)」と「モンブラン(MONTBLANC)」のアイウエアも手掛けている。
ロベルト・ヴェドヴォット(Robero Vedovotto)=ケリング アイウエア最高経営責任者(CEO)は、「われわれの使命は、アイウエア分野において各ブランドの存在感を強めて、潜在能力を最大限に引き出し、ラグジュアリーファッション分野をリードするブランドとして確立することだ」と話し、リシュモンとのパートナーシップも強化する方針だ。
「クロエ」のリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)CEOは、「われわれの目標は、アイウエアのラグジュアリー分野における『クロエ』の強い地位を確立することだ。この野心的ビジョンを共有しているケリング アイウエアは、『クロエ』のアイウエアビジネスを次のレベルに引き上げることができる有力な戦略的パートナーになると信じている」と期待感を示した。
リシュモンとの契約の一つとしてケリング アイウエアは、240人が就業するフランスのシュシー・アン・ブリ(SUCY-EN-BRIE)にある工場マニュファクチュール カルティエ リュネット(MANIFACTURE CARTIER LUNETTES)を、マニュファクチュール ケリング アイウエア(MANIFACTURE KERING EYEWEAR)と名前を変えて運営している。
ケリング アイウエアの19年12月期の売上高は、前期比18%増の5億9600万ユーロ(約700億円)で、地域別の売り上げ構成比率はEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)が25%、アメリカが20%、アジア太平洋が15%、その他が40%で、各地域が2ケタ成長した。