東京でパリコレを再現!
ヘルツォーク&ド・ムーロンが会場をデザイン
「ミュウミュウ(MIU MIU)」は3月28日に南青山・みゆき通りにオープンする新店舗の開店を記念して1000人のゲストを招き、パリで発表したばかりの2015-16年秋冬のファッションショーを再現した。
会場のベルサール渋谷ガーデンには、スイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンが手掛けた美術館のような贅沢な空間を用意。“ハイブリット”をテーマにデザインされた会場は、迷路のように5つのスペースに分かれている。白いギャラリースペースはゲストのレセプション、大ホールはファッションショーの世界を作り込んだスペース、そしてテーマ別に3つのパーティースペースを用意した。
会場は新店舗とリンクするようにデザインされている。アイコニックな要素を抽出して表現され、アートピースをちりばめるかのように会場の至るところに設置した。拡大したり、カラーを重ねたり、ユニークな素材を用いたり。あるいは、素材を全く違う目的で採用したり。その方法はさまざまで、「ミュウミュウ」らしくポップアートのように大胆に表現している。
例えば、ショー会場に建物のウインドーには、店舗を象徴する傾斜したフラップを模したオブジェがあり、入ってすぐのロビーには、ショップの階段をプラスチックで再現した彫刻作品が横たわっていたり。バッグを収めるべきガラスケースは、バッグではなくドリンクやフードを提供する巨大バーになった。店のインテリアに象徴的に用いられた「ミュウミュウ」のアイコン“ダマスク”柄は、ショー会場でもあらゆるところに拡大して描かれた。イベント直前に店舗を訪れた招待客にとって、ウォークラリーの答え探しをするように、ワクワクしながら回遊できる空間だ。
ランウエイには、モニュメントのように誇張された店舗の椅子がバルーンになって天井からつり下げられている。ショーは32分遅れでスタート。登場するのは、グレタやマリアンなどこのために来日したトップモデルたちだ。彼女たちがまとうのは、先日パリで発表された2015-16年秋冬の最新コレクションで、スタイリングもほぼ同じ。ツイードとレザーをキー素材にコントラストで遊ぶガーリーポップなスタイルだ。「皮肉と愛嬌」という概念のもとに素材や色の“コントラスト”のゲームを楽しんだ。
例えば、比翼コートのポケットや襟は毒っけのあるパイソンで切り替えたり、エプロンドレスをツイード素材で仕立てたり。矛盾する要素を組み合わせて挑発しながらもガーリーに仕上げている。足元は大きなバックルやたくさんの細ストラップが付いたチャンキーヒール。ポインテッドトーとスクエアトーを用意した。ウエア同様にコントラストが効かせた切り替えが楽しいバッグもスマッシュヒット。