ファッション

「ユニクロ」銀座の新店をパトロール ミュージアムのような店舗の見どころはココだ!

 「ユニクロ(UNIQLO)」は6月19日、東京・銀座に新グローバル旗艦店「ユニクロ トウキョウ」をオープンした。日本最大級(約4950平方メートル)の同店は、4月にオープンした「ユニクロ パーク横浜ベイサイド店」、6月5日に開業した「ユニクロ原宿店」と共に、「ユニクロ」のこれからを作っていく“戦略店舗”という位置づけ。どこを切っても同じ金太郎アメ型チェーン店ではなく、その街、その店ならではの仕掛けを多数盛り込んでいる点が特徴だ。老舗が軒を並べ、大人や海外観光客が集う街・銀座で「ユニクロ」が見せるものとは?同店の見どころをレポートする。

【外観&内観】コンクリートの構造むき出しにリノベーション

 同店があるのは銀座と有楽町の中間にある商業施設、マロニエゲート銀座2(旧プランタン銀座。さらにたどると読売新聞本社)の1~4階。古い建物を生かしつつ、内装をはがしてコンクリート構造むき出しにリノベーションしている。内外装を手掛けたのは、英ロンドンの美術館テート・モダンや北京五輪の鳥の巣競技場の設計で知られるスイス発の建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)。外装もコンクリートの柱や梁がモダンな雰囲気で、インターフェースデザイナー中村勇吾によるキューブ型のデジタル看板が主張する。同店のトータルクリエイティブディレクターは佐藤可士和。「以前の内装をはがしてダイナミックな空間を残した。そぎ落としていいものに、という考え方はユニクロのモノ作りそのもの」と佐藤。

【1階】“LifeWearスクエア”で「アートとサイエンス」発信

 1階は「ユニクロ」のフィロソフィーや旬の商品をギュッと凝縮した売り場。最大の見どころは“LifeWearスクエア”と名付けられた、フロア中央の吹き抜け空間だ。ユニクロのコンセプトであるLifeWear(究極の普段着)の「アートとサイエンス」を体感できる場として、オープン時は“エアリズム”を紹介。“エアリズム”の機能性(通気性やサラリとした肌触り等)を紹介する理科の実験風装置(これがサイエンス)の奥に、さまざまな“エアリズム”商品を取り入れたスタイリッシュなマネキン群がズラリ(これがアート)。その他、協業しているアーティストの作品や人となりについて知るコーナーがあったり、横浜、原宿の戦略店舗と同様に生花売り場があったりと、商品を売り場にギッチリ詰め込むのではなく、広さを生かして背景にあるストーリーを伝えようとしている点が同店の大きな特徴だ。

【2階】加茂克也が手掛けたヘッドピースのVMDを刮目!

 2階はウィメンズ売り場。「ユニクロ トウキョウ」では全フロアで、さまざまなクリエイターと組んだVMDを取り入れているが、2階の注目は今年2月に亡くなったヘアアーティスト、加茂克也のヘッドピースを飾ったビジュアルプレゼンテーション。加茂は「ユニクロ」展示会のヘッドピースを手掛けていた経緯があり、花のヘッドピースが「ユニクロ」のパステルトーンのウエアを魅力的に演出する。他は人気の花屋「エデンワークス(edenworks)」篠崎恵美や、アーティストのリー・イスミダなどとVMDで協業。各階のレジ前は、「ユニクロ」が注力するサステナビリティ関連活動や難民支援などを紹介するコーナーになっているが、2階でフォーカスしているのは女性のエンパワメントだ。ユニクロで働く世界の女性たちを紹介するパネルの中に、40歳でユニクロ日本CEOに就いた注目人物、赤井田真希がどーんといるのでツウは確認を!

【3階】アンバサダー紹介コーナーやスーツが充実

 3階はメンズ売り場。ここで注目したいのはユニクロのアンバサダーであるスポーツ選手6人にフォーカスしたコーナー。プロスノーボーダープロスケーターの平野歩夢やプロテニスの錦織圭、プロゴルファーのアダム・スコット(Adam Scott)などの着用商品やサインなどを集積している。「ユニクロ」といえばやはりカジュアルのイメージが強いが、同店は銀座という立地もあり、スーツやシャツのイージーオーダーである“オーダーメイド感覚”シリーズが充実している点も見どころ。このコーナーはハンガーも木製の「ナカタハンガー」でドレッシーなムード。ちなみに、“オーダーメイド感覚”シリーズを買うとこのハンガーも付いてくるそう。

【4階】銀座の名店群と「UTme!」でコラボ

 4階はグラフィックTシャツの「UT」とキッズ&ベビーが中心。エスカレーターを下りるとそこには「UT」のコラボアーティストを紹介パネルや関連書籍が。個人的には、社員私物を含むという「UT」のアーカイブコーナーが「このデザイン持っていた」「これは今売ってほしい」などさまざまに感じて面白い。オリジナルの柄をプリントできる「UTme!」のコーナーでは、銀座のそうそうたる老舗と協業。呉服店の「銀座もとじ」や、和菓子の「空也」、「松﨑煎餅」などのスタンプをTシャツやトートバッグにプリントできる。銀座といえば、雑誌社マガジンハウスのお膝元でもある。18年にファーストリテイリング入りした木下孝浩グループ上席執行役員の前職がマガジンハウスの「ポパイ(POPEYE)」編集長という縁もあるのか、モード誌「ギンザ(GINZA)」と組んだ銀座の歴史紹介コーナーもあり。EC限定商品の“エアリズム”シーツのコーナーにはベッドも置かれ、ライフスタイル型の提案を強化している。

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