メルローズのEC専業セレクトショップ「サードマガジン(THIRD MAGAZINE)」は、東京・代官山のショールーム再開後の6月1~18日の期間、売上高は前年同期比で約5倍と大きく伸ばしている。新型コロナの影響による閉鎖中、種まきとしてインスタでのコーディネート発信を地道に行ったことが成果につながっている。
同ブランドは主に30~40代の女性をコアターゲットに、オリジナル商品と買い付けのデザイナーズブランド、古着などをミックスした商品MDを組んでいる。商品はEC専業としては比較的高価格で、シャツやブラウス、スカートなどで2~3万円、ジャケットなどのアウター類では5万円から10万円を超えるものもある。代官山ショールームは商品を見られる唯一の場になるが、4月7日~5月25日は新型コロナウイルスの影響で閉鎖した。
自粛期間中は、オリジナルアイテムと古着を混ぜたスタイリングを継続して打ち出し、ブランドらしさをアピール。従来から古着に関しては、「顧客さまでも年齢が高くなるほど、『カジュアルになりすぎる』『どう着たらいいか分からない』と抵抗を持たれていた方が多かった」(中山彩子プレス)。そこで「たとえば、大ぶりなロゴが付いた古着Tシャツには、ベロア素材で上品な光沢のパンツを合わせるなど、シンプルに提案した。すると『新鮮』『こなれて見える』と大きな反響があった」。
インスタで提案した古着ミックスのコーディネート一式でまとめ買いする客が増え、客単価アップにつながり、5月の売り上げは前年同月比80%増。だが6月はそれ以上の勢いだ。ショールームの再開により、「実際に店と商品を見てから購入したい」という客が押し寄せたためだという。「これからの時代にはECでの購入が増えるとされているが、お客さまにブランドの世界観に『共感』して頂くことが前提条件になる。逆にそれさえあれば、高価格なものでも(ネットで)売れる。今後はブランドらしさの発信として、ショールームの作り込みにも一層力を入れていきたい」。