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オンラインとオフラインの前に、組織はマージしているか?︎ エディターズレターバックナンバー

※この記事は2020年6月29日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

オンラインとオフラインの前に、組織はマージしているか?︎

 先日、弊社の紙面紹介プログラム「Read More」で特集担当記者から「OMO(Online Merges with Offline)」と「O2O(Online to Offline)」の違いを聞いて、確立すべきは「OMO」なんだと納得した直後、下のリンクの記事を読み、改めて「会社として、OMOをどう推進すべきか?」を考えています。「Read More」をご覧になっていない方に簡単に説明しますと(お時間がある方は、リンクの2本目をどうぞ)、「O2O」は、オンラインとオフラインをつなぐという思考ゆえ、両者を区別しているのでアウト!!それは売る側の都合で、消費者には関係ありません。対する「OMO」の「M(Merge)」とは「融合する」の意味で、もはやオンラインとオフラインを区別しないのです。担当記者からは「リアルは、デジタルの一部」という名言、長年リアルを大事にしてきた皆さんにはショッキングなくらいの格言が飛び出し、「あぁ、そうだよな」と思った次第です。

 下の記事は、そんな「OMO」を推進するために大事なポイントを解いています。業界人が理解すべきは、「ポイントとなるのは(デジタルで)商品が売れた場合、売り上げの数パーセントがインセンティブ(成果報酬)として給与に加算されるのと同時に、その販売スタッフが所属する店舗の売り上げとして計上されるということだ」。ここです!コレ、試験に出ます。てか、出します(笑)。個人はもちろん、チームの評価になるって大事ですね。この評価基準の有無で、オフラインに携わるスタッフのオンラインに対するモチベーションは、大きく変わることでしょう。

 想像してください。もし、販売スタッフの着用コーデが売れても、個人もチームも評価されなかったら?それならだ~れも、わざわざ自分を晒して着用コーデをアップなんかしないですよね?リンクで紹介するアプリサービスを開発した社長も、「数億円かけて一元化しても店舗の販売員がECでの売り上げになることを嫌がり、ECサイトへの誘導をとめていた」と、個人もチームも評価しないサービス設計を反省しています。では、販売スタッフだけが評価されて、チームは評価されなかったら?個人は頑張るかもしれませんが、「あの子は、店頭での接客はおざなり。SNSばっかりじゃん!!」みたいな陰口や、「どうしても自分を晒せない私は……」みたいにクヨクヨするスタッフが出現することでしょう。でもそれが、販売スタッフはもちろん、チームも評価されたら?「あの子がSNSを頑張っている分、私たちは店頭を盛り上げようよ!」とか「私は自分を晒せないから、せめて撮影を手伝ったり、ハッシュタグを一緒に考えよう!」みたいな発想になるかもしれない。少なくともSNSでバンバン売るスタッフに「ありがとう!」という言葉を投げかけたくなるでしょう。他人のデジタル上での販売を“自分ごと”化できるのです。ステキ。

 評価基準一つで、組織は大きく変わりそうですね。そしてOMOの推進には、評価基準や組織の変革が不可欠であることも想像させます。余談ですが銀座三越の上層階にある免税店の失敗は、特選フロアのスタッフがインバウンド顧客の免税店への送客を敬遠したから、と言われました。自分が売れば評価につながる、でも、免税店への送客では評価にならない。となれば、知名度の低い上層階は苦戦するでしょうし、同じ店舗、時には同じブランドのスタッフにさえ不要な縄張り争いを生んでしまう。誰の得にもならなそうです。

 オンラインとオフラインのマージ(融合)には、組織のマージが不可欠です。アナタの組織は、マージしていますか?

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