英「ヴォーグ(VOGUE)」のエドワード・エニンフル(Edward Enninful)編集長は15日、出社の際に警備員から人種に基づいた不審者扱い(レイシャル・プロファイリング)を受けたと明かした。外部から派遣されていた警備員はロンドンにあるヴォーグ・ハウスの受付で、普段通り職場に入ろうとしたエニンフル編集長にビルの裏にある搬入口を使うよう促したという。「ヴォーグ」の親会社であるコンデナスト(CONDE NAST)の広報によると、その警備員は現場から即座に外され、請負業者の審問下に置かれた。
エニンフル編集長は15日、自身のインスタグラムに「今回の出来事で、人生で何を達成したかが意味を持たないときがあるとよくわかった。一部の人間は、人のことをまず肌の色で判断する」と投稿。またロックダウンの緩和に伴い徐々に日常が戻っているからといって、元通りになってはいけないと変化を求める意思を表明した。
ファッション業界の多様化に大きく貢献してきたエニンフル編集長は、その姿勢を評価されて2016年に大英帝国最優秀勲章(OBE)を受章している。その後17年には黒人男性として初めて英「ヴォーグ」の編集長に抜擢され、同誌のダイバーシティーへの取り組みをいっそう強めている。