「エルメス(HERMES)」のウィメンズ商品全般を統括するアーティスティック・ディレクター、バリ・バレ(Bali Barret)が、秋に同ブランドを去る。
バレは2003年にシルク製品担当のアーティスティック・ディレクターとして「エルメス」に参加。ストリートアーティストや才能ある若手を起用して同カテゴリーにフレッシュなアイデアを持ち込んだ。
09年に昇進し、レザーグッズやウエア、フットウエア、シルク、ジュエリー、時計、ビューティ、ファッションアクセサリーなどのウィメンズ部門をまとめる現職に就任。ウエアのデザインチームを率いるナデージュ・ヴァンヘ・シビュルスキー(Nadege Vanhee-Cybulski)や、フットウエアとファインジュエリーを手掛けるピエール・アルディ(Pierre Hardy)とも協働しながら、商品からウインドーやイベント、コミュニケーションに至るまでを、全体を統括するピエール・アレクシィ・デュマ(Pierre-Alexis Dumas)=アーティスティック・ディレクターと共に指揮した。
関係者によると、バレのリーダーシップとデザインビジョンが忠実に実現されることで、保守的だった「エルメス」のスタイルに革新がもたらされたとされており、彼女の退任の知らせは社内に大きな衝撃を与えているという。
バリはパリのエスモード(l’Ecole Superieure des Arts et Techniques de la Mode、ESMOD)を卒業。「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」を経て、1999年にシグネチャーブランドを立ち上げた。
「エルメス」はバレの退任を認めており、バレの貢献を讃えるコメントを出している。バレの今後については明らかになっていない。