ユナイテッドアローズ(UA)は、コスト構造改革、EC、働き方改革、在庫の見直しなどを目的とした3つの重点取り組み政策を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、同社の2020年4~6月期業績は営業損益が50億円の赤字。5日の決算会見で同社の竹田光広社長執行役員は「非常に厳しい結果」と語り、変革を一気に進める考えを示した。
1つ目は「稼ぐ力を取り戻す」。近年の暖冬や天候不順、新型コロナウイルスの影響による消費減退などで従来のビジネスモデルは通用しないと考えて、事業構造から抜本的に見直し、MD精度の向上を図る。20-21年秋冬物は調達量を現段階で2割減らす。2つ目は「低コスト体質に切り替える」。固定費の縮小を目的に、一部の不動産家賃を再考。また、残業を削減するなどして本社の人件費を抑制する。3つ目は「フリーキャッシュフローの追求」。実店舗を中心としてきた従来のビジネスに対して、不採算店舗や事業のスピーディーな見直しを進め、働き方改革と合わせてコスト削減を目指す。
竹田社長執行役員は「UAは働く方々やハレの場の衣装、外に出ることを前提としたファッションビジネスで成長してきた。ただし、現代のお客さまの消費の変化に対して、スーツのMDを見直し、ウィズコロナ、アフターコロナに向けた商品改革を行っていく必要がある。実店舗の在り方を見直し、店舗の中から新たな接客スタイルに変えていく」とコメントした。
なお、5月に発表した23年3月期を最終年度とする中期経営計画については、再検討しているという。「初年度の21年3月期は“新型コロナをどう乗り切るか”、22年3月期は“企業体力の改善”、23年3月期は“従来のリアル中心のビジネスモデルからOMO(オンラインとオフラインの融合)への転換”が大きな方向性となるだろう」と説明した。