モデルを中心に俳優としても活躍する一ノ瀬遼は、料理好きが高じて、自身のインスタグラムアカウント「のせごはん」で料理の作り方アップしたり、できるまでをIGTVで配信したりしている。京都大学薬学部卒業の秀才らしく、投稿には材料の栄養素や調理方法などの「調理化学」に関するプチ解説もプラス。一ノ瀬に料理の魅力を聞いた。
WWD:そもそもナゼ、料理が好きになった?
一ノ瀬遼(以下、一ノ瀬):理由は特にないんです。むしろ意味は、「後からついてくる」くらいに思っています。自由な校風の学校に通っていたこともあり、高校・大学時代の服装は、個性的でした。「やりたいことをやればいい」とか「学問に意味なんて求めちゃいけない」という環境で育っています。意味を求め出すと学問は、世間が求める領域での意味にしか到達できないんです。意味のあることしかできなかったら、今のようにパラダイムが大きくシフトしている時(当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが劇的に変化している時)、何もできなくなってしまいます。
WWD:料理は、いつ頃から?
一ノ瀬:一人暮らしが長くて、大学生の時から5、6年になります。最初は野菜炒めとかでしたが、飲食店でアルバイトしてから食に興味を持ったんです。しっかり作るようになったのは、ここ1年くらいですね。
WWD:所属事務所が開いた昨年のパーティーでは、料理を一手に担当した。大勢の人に料理を振る舞ったのは、初めて?
一ノ瀬:緊張しました。やっぱり、自分だけが食べるのとはワケが違いますから。「失敗できない」と思ってレシピを用意したけれど、結局、理屈とフィーリングの両方で料理した気がします。ガチガチに理論武装しただけでは、成功できません。特にイタリアンは、そんなカンジ。「コレ、美味しいんじゃね?」くらいの感覚で良いんです。プロも、そう言っています(笑)。
WWD:得意なジャンルは?
一ノ瀬:断然イタリアンです。アルバイトの経験もあるし、味もわかりやすい。食べて、すぐに「美味しい!!」ってわかるのが、自分にも、振る舞う相手にも良いんです。でも、盛り付けはフレンチが参考になります。
WWD:好きな食材は?
一ノ瀬:トマトです。イタリアンの根幹で、生で食べても、加熱しても美味しい。品種はもちろん、加熱の仕方によっても味が変わる、奥の深い食材です。果肉と種、そしてジェルっぽいところ、使う部分によっても違いが生まれます。
WWD:モデルの仕事は、料理に生きている?もしくは料理という趣味は、モデルという仕事に生きている?
一ノ瀬:見せ方にはこだわっています。自分は「こういう盛り付けがいい」と思っても、「こっちの方が映える」など代替案を考えて徹底的に極めるのは、仕事由来だし、仕事に生きているかもしれません。趣味と言いつつ、料理は、それを凌駕するくらいのテンションです。徹底してやっているから皆さんが興味を持ってくれるのは、仕事も同じだと思います。
「WWD JAPAN.com」は8月から、一ノ瀬遼による料理番組「京大卒モデル一ノ瀬のモード飯~Cuisine à la mode~」をスタートします。ご期待ください。