レッグウエア大手のアツギは20日、民事再生手続中のレナウンの子会社で靴下や下着を製造販売するレナウンインクス(東京、中角至博社長)の全株式を取得して子会社化すると発表した。取得金額は非公表。5月に民事再生法適用を申請したレナウンはスポンサー探しが難航しており、ブランドや子会社単位で事業を切り売りすると見られていた。今回の株式譲渡はその初の事例になった。
レナウンインクスは2002年にレナウンのインナーソックス事業の分社化によって設立。紳士・婦人の下着や靴下を百貨店や量販店などで販売している。福島県いわき市には自社工場を持っており、品質の高さでは定評がある。19年12月期業績(10カ月の変則決算)は売上高72億円、営業利益3億6200万円だった。
一方、アツギは女性用のストッキングやタイツを主力製品としているが、コロナ以前から業績が悪化しており、20年3月期は最終損益が59億円の赤字(19年3月期は30億円の赤字)に陥っていた。事業構造のバランスの早急な改革が必要な中、レッグウエアと親和性の高い下着や靴下を扱っているレナウンインクスとは補完関係を築けると判断した。