ファッション

サステナビリティは“透明”にすることから全ては始まる

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 自社で扱っている衣料がどのように作られたのか考えたことがあるだろうか。もし、作っている人が搾取されていたら?使用している素材が地球に大きな負荷をかけていたら?特に事業の責任ある立場の人に問いたい。サプライチェーンを把握していないことが自社をリスクにさらしていることをあなたは理解しているだろうか。(この記事はWWDジャパン2020年8月24日号からの抜粋です)

 今、ファッション産業に向けられる目は厳しい。環境負荷が高い産業としてやり玉にあがり、1100人以上の人が犠牲になった2013年のバングラデシュのラナ・プラザ崩落事故が象徴する劣悪な労働環境、廃棄問題などが問題視されている―気候変動や環境汚染、人権問題は私たち地球の住人全員が向き合わなくてはならない課題だ。「知らない」「知らなかった」では済まされない。グローバル企業への外圧はすでに大きいが、「規模が小さいからうちは関係ない」と思ったなら若手社員の顔を思い浮かべてみてほしい。ミレニアルズやZ世代には環境や社会問題への意識が高く、自社に対しての目も厳しい人が増えている。

 これからの時代に“選ばれる企業”を目指すなら、まず知るべきキーワードは“透明性”だ。ファッション産業における透明性とは「サプライチェーン、ビジネスの手法、それらが労働者・コミュニティー・環境に与える影響について、広く一般的に情報公開していること。また、そのデータは包括的で信頼性が高く、他企業と比較できるものであること」。これは英国のNPO団体ファッションレボリューションが定義したもので、同団体はラナ・プラザ事故を機に2013年に設立。“透明性”を重視した仕組みへの転換を求めて活動し、若い世代を中心に支持を集め世界規模で影響力を持つ。NPO・NGOの声に耳を傾け支援する生活者は多いが、今やその影響力は有力企業にまで及ぶ。

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