ビジネス

三菱商事ファッションが始めたC2M型アパレルブランドとは?初の小売事業に挑戦

 三菱商事グループのファブレス(自社工場を持たない)メーカー、三菱商事ファッションは、短納期無在庫販売型のC2M(カスタマー・トゥ・マニュファクチャー)アパレルブランド「ザ ミ―(THE ME)」を立ち上げ、東京・原宿にオープンした店舗兼ショールームで販売を本格化した。

 従来のOEM(相手先ブランドの生産)事業の精度を高める一環として、約2年前からプロジェクトを進めてきた。“量産を前提とした作り方はしない。一人一人に合わせる”をコンセプトとしてカスタムオーダーを進化させた新しい業態で、同社が手掛ける初の小売事業だ。

 客はまず「ザ ミ―」のホームページで予約して店を訪れ、“ナビゲーター”と呼ぶ店頭スタッフから最長90分のパーソナル接客を受ける。商品はビジネスシーンを想定したベーシックなデザインが中心で、メンズとウィメンズを合わせて約80品番。その中から好みのアイテムを選び、3Dボディースキャナーで採寸し、そのデータに基づいたサイズサンプルを試着した後、“チューニング”と呼ぶ体形に合わせた補正を行う。その場では決済せず、選んだ洋服の情報をウエブサイト上のマイページで確認して気に入れば注文し、約2週間後に指定の場所に商品を送付するという仕組みだ。価格は、メンズのスーツ8万円、ウィメンズのセットアップ6万5000円、ワンピース3万円、Tシャツ1万円などで、全アイテムで同様のサービスを受けられる。

 「ザ ミ―」の責任者である前田真太郎・三菱商事ファッション デジタル事業推進本部新規事業部長兼LAB室長は「お客さまの声を工場に直接伝えるのがC2Mだ。1着ずつ生産していただける工場の確保が大変だったが、新しいファッションシステムの挑戦に共鳴いただいた10以上の工場と取り組んでいる。サプライチェーンの必要な工程は省かず最適化し、無駄なものを作らない仕組み作りはサステナビリティにもつながる。サプライヤーがパラダイムシフトするときだ。今ファッション業界が抱える課題の解決に貢献しつつ、お客さまには新しい消費の選択肢の一つとして、自分だけの服選び、服作りを楽しんでほしい」と話した。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。