「オフ-ホワイト ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)」創業者で「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」メンズ アーティスティック・ディレクターのヴァージル・アブローとメルセデス・ベンツ(MERCEDES BENZ)が、コラボしたコンセプトカーを9月8日に公開した。また14日から同コラボ作品のレプリカをサザビーズ(SOTHEBY'S)のオンラインオークションにかけ、その収益をアートを支援するチャリティー団体に寄付する。
今回両者が手掛けたコンセプトカーは、20年7月に発表されたコラボレーションプロジェクト「プロジェクト ゲレンヴァーゲン(Project Gelandewagen)」から誕生したGクラスをモチーフとしたアート作品だ。メルセデス・ベンツのゴードン・ワグナー(Gorden Wagener)=チーフ・デザイン・オフィサーとヴァージルが共同で、ボックスワゴン型のGクラスラグジュアリーSUVを、プラスター(石膏)カラーで仕上げた。内装はむき出しで、サイドウインドーも付いていない。
さらにオフロード車をレーシングカーに変え、レーシングタイヤとF1世界選手権(FIA Formula One World Championship)にインスパイアされたハンドルとシートを装備した。多くのSUVにホイールアーチを囲むように付けられるクラッディングは全て取り除いてセーフティフレームを中心にし、水色や明るい赤でハイライトを加えている。
当初の予定では、同コラボ作品はパリ・メンズ・ファッション・ウイーク期間中に発表されるはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて変更された。ヴァージルはコラボレーションに関して「とても幸せだ。アイコニックなものに新たなデザインを加えることができる素晴らしい機会。ラグジュアリーなものが過去のやり方に合わせていく必要はないことを証明していると思う」と述べた。
一方メルセデス・ベンツのベッティーナ・フェッツァー(Bettina Fetzer)=マーケティング担当バイス・プレジデントは、「私たちはこの一つの美しい車、美しいデザインの制作だけをするつもりはない。時代をつくっていくラグジュアリーブランド全体へのアプローチの構築に取り組んでいる」と述べた。同社はこれまでも継続的にファッションイベントのスポンサーや新鋭デザイナーのサポートをしており、将来的展望としては自動車業界だけにとどまらないという。