ユニリーバ・ジャパン・グループ(以下、ユニリーバ・ジャパン)は、紙を用いた契約締結に必要だった捺印や署名を電子サインに切り替える。2021年3月末までに100%電子契約化を目指し、報告書や届け出書などの対外文書についても100%電子サイン化を進める。
ユニリーバ・ジャパンは、これまでも「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」という目的の下、サステナブルなブランドを育成するとともに、働く時間・場所を社員が自由に選べる制度「WAA」(16年~)、提携自治体で働きながら地域の課題解決に貢献する「地域 de WAA」(19年~)、いつでもどこからでもパラレルキャリアを追求できる「WAAP」(20年~)といった新しい働き方を導入・推進してきた。
こうした新しい働き方を支えながら業務効率化を図るため、社内承認や対外的な契約のデジタル化を進め、20年上半期の締結件数のうち58%が電子締結とした。新型コロナウイルスの影響下で在宅勤務の長期化や働き方のさらなる変化が予想されるため、100%電子契約化・電子サイン化への移行を決めた。
これにより、①印刷や製本、捺印、送付、保管のための作業が不要となり締結までの時間を短縮できる②速やかな契約締結により、締結の遅れによるビジネス上の機会損失を防げる③紙媒体での保管が不要となり、オフィススペースの有効活用およびコスト削減につながる④電子サイン化により、締結文書・データがセキュリティー措置の施された状態で保管されるため、紛失・漏洩のリスクが低減できる⑤過去に締結した契約の参照・検索がより速く手軽にできる⑥印紙税が不要となり、印紙代および印紙税額の検討・判断のための時間がなくせる⑦電子サイン化により、捺印などのための出社が不要となり、コロナ禍での感染拡大防止や業務効率化につながる――という業務の効率化が実現できる。
「日本のビジネスを取り巻く環境が大きく変化する中で、電子契約や電子署名といった新しい技術を活用し、従来の“あたりまえ”を変えていくことで、取引先とともに継続的に成長し、持続可能な社会の実現に貢献していく」(同社)という。