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ブルゾンにのせた全面プリントのように“何でもアリ”の70’s&80’s
6月12日、ロンドン・メンズ・コレクションが開幕し、2016年春夏シーズンのコレクション・サーキットが始まった。メンズはこの後、およそ3週間をかけてフィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモ、ミラノメンズ、パリメンズと続き、7月にはニューヨークでも初めてメンズ・コレクションが開かれる。
今シーズンの先陣を切ったのは、日本からは一時撤退中の「トップショップ」によるメンズのコレクションライン「トップマン デザイン」。インビテーションは、その座をCDに奪われたカセットテープのケース。ファーストルックは、コンパクトシルエットのジャージーの上下に、カセットデッキのモチーフをドカンとのせたノースリーブのGジャンスタイル。ウィメンズほどではないが、メンズでもある程度広がった1970年代のテイストと、次の時代80年代のムードをごちゃ混ぜにした。
テイストは、多岐に及んでいる。クロップド丈のジャケットに超ハイウエストのパンツで70’sのムードを漂わせたかと思えば、洗いをかけたシルクで作るリラックスシルエットのセットアップ、そのエフォートレスな雰囲気をさらに強めたパジャマシリーズ、マカロンカラーのアウトドアスポーティー、そして、ロンドンメンズで勢いを増している禅的志向の和洋折衷まで幅広い。ブルゾンにのせた、隙間なくびっしり貼り付けたワッペンのプリントのように、“何でもアリ”だ。
全体はバラバラだが個々のスタイルにおいては、上下を同じ柄で統一。“キメすぎたくらいのマッチ感”を楽しんでいる。ファッション・コンシャスな男の子の、さまざまなテイストにトライしたいという欲望の結晶のようなコレクションだ。