オンワードホールディングス(HD)の2020年3〜8月期連結業績は、売上高が前年同期比32.0%減の805億円、営業損益が114億円の赤字(前年同期は8億円の赤字)、純損益が151億円の赤字(同244億円の赤字)だった。
期中の売上高のうちECの割合が35%に到達し、初めて百貨店販路(同30%)を上回った。そのうち自社ECの販売比率は9割。決算会見で保元道宣オンワードHD社長はこれを「シンボリックな、デジタルファーストな状況が生まれている」と前向きに捉え、通期でのEC売上高目標は前期比1.5倍増の500億円を掲げた。
中核子会社オンワード樫山の売上高は前年同期比41.0%減の366億円。主販路の百貨店の休業で3〜5月は同52.9%減と割り込むも、6〜8月は同26.1%減まで持ち直した。大幅減収と在庫評価損に伴う営業損失64億円を計上した。「ジル・サンダー(JIL SANDER)」「ジョゼフ(JOSEPH)」など海外事業の売上高は前年比36.6%減の171億円、営業損益は28億円の赤字だった。
グループ全体の下期(9月〜21年2月)は、売上高が前年同期比17.6%減の1069億円、営業利益が25億円(前年同期は22億円の赤字)の黒字転換を見込む。「(上期は)業界全体がセールに傾く中、現金化を急がず、過度な値引き販売を控えた。余った在庫は下期に持ち越し、丁寧に定価販売することで粗利を出していく」。
期中に国内外約700店舗を閉める構造改革については「予定通り進める」とし、下期には販管費率2.8ポイント減少が成果として表れる見込み。不振の海外事業は「生産、店舗などあらゆる選択肢を念頭に、スピード感を持って不採算部門の根絶に取り組む」。
21年2月期通期連結業績は、売上高が前期比24.5%減の1875億円、営業損益が89億円の赤字(前期は30億円の赤字)、純損益が85億円の赤字(同521億円の赤字)を予想する。