MOVIE
「エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)」は2016年春夏ミラノ・メンズ・コレクションの模様を生中継する。発表日時は6月20日の午後6時30分から(日本時間)。
REPORT
性差を超え国境も越える究極のシンプリシティー・テーラード
昨シーズンからウィメンズのルックをコレクションに織り交ぜ、ミラノにもノー・ジェンダーのムードを取り込んだジョルジオ・アルマーニ。今季はその色をより濃くし、さらに東洋と西洋の異なる文化をミックスさせながら、コンフォートでリラックスしたテーラードを男女も民族の差もなく再定義した。
オリエンタルなムードを強めたのはペイズリー柄。シャツにデジタルプリントしたり、ジャージージャケットにジャカードでのせたり、セットアップに細かくパンチングしたり。脇に抱えた大きなボストンバッグやバッグパックが、西から東へ旅をする紳士を想起させる。ウィメンズもメンズと同様で、コンパクトジャケットにキャロットシルエットのテーパードパンツ。今季はさらにバリエーションを豊かに提案した。
一番の特徴は、これまで「エンポリオ アルマーニ」が見せた革新素材の打ち出しを控え、あえてウールや洗いをかけたシルク、ナッパレザー、コットンでアンコンストラクテッドなスタイルに終始したところだ。一方で、得意とするボンディングなどで独特のハリを出すテクニックによって、洗練されたムードは健在。秋冬に用いる暖かな素材感のアウターも充実させ、まるでジェンダーだけでなくシーズンの概念からも解放してしまったようだ。カラーパレットにおいても、アルマーニ・カラーであるグレージュを始め、ネイビーやサンドカラー、ダスティー・グリーンといったベーシックな色味が中心だ。万国共通の素材を使ったシンプルなアンコンスタイルは、その着心地の良さや絶妙なシルエットのバランスを強調させた。