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コロナ禍で式や旅行はできない だから婚約指輪に予算シフト

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 新型コロナがブライダルジュエリーの追い風になっている。ブライダルジュエリー市場は、少子化や晩婚化、結婚の形の多様化などにより、ずっと苦戦してきた。以前は、エンゲージメントリング(婚約指輪。以下、エンゲージ)の予算は給料3カ月分だったが、時代が変わり、最近は給料1カ月分が相場になった。もはや、男性がエンゲージを購入してプロポーズするのが当然という時代ではない。しかし、このコロナ禍で今再びエンゲージの需要が増しているという。(この記事はWWDジャパン2020年10月26日号からの抜粋です)

 ここ数年、結婚に関しても“モノよりコト”が重視される傾向にあり、エンゲージなどに予算をかけるよりは、独自でこだわった結婚式や新婚旅行など体験消費の割合が高くなっていた。

 ところが、コロナ感染拡大で、挙式も旅行もできなくなり状況が一変した。物理的に“コト”消費が不可能になり、代わりに“モノ”に対する関心および消費意欲の高まりが顕著に表れたのがエンゲージだ。阪急うめだ本店(以下、阪急)のラグジュアリーブランドを扱う5・6階では6~9月、エンゲージの売り上げシェアが昨年同期比5%増で、100万~300万円の価格帯が伸び、1000万円以上も動いたという。

 一方で30万~70万円に関しては前年割れだ。5・6階を担当する西田健太・阪急阪神百貨店 第1店舗グループ ジュエリー&ウオッチ商品部 マーチャンダイザー(MD)は、「挙式も旅行もできない中で絆がエンゲージという形に反映されて、以前よりもデザイン重視、ダイヤモンドのカラット数も高くなり高価格帯の売り上げが伸びている」と話す。同じく、ラグジュアリーブランドのサロンが集まる伊勢丹新宿本店(以下、伊勢丹)4階でも6~9月、100万円以上の価格帯が大幅に伸長し、500万円以上の高額品も多数動いた。

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