民間信用調査会社の東京商工リサーチは2日、民事再生手続き中のレナウンが、東京地裁から同手続きの廃止決定を受けたと発表した。
手続きの廃止決定を受けたのは10月30日。約1か月後をめどに破産開始決定を受けるとみられる。
レナウンは基幹ブランドの「ダーバン」「アクアスキュータム」「シンプルライフ」「エレメント オブ シンプルライフ」を小泉グループに売却し、肌着などを製造・販売する子会社のレナウンインクスの全株式はストッキング大手のアツギへの譲渡を発表。引き受け手が見つからないブランドについては10月末で店舗・売り場を閉鎖して事業を終了し、レナウン本体も清算に向かう見通しだった。
同社は長年の販売不振に加えて、親会社山東如意科技集団への売掛金(67億円)の貸し倒れ、新型コロナウイルスの感染拡大による主販路の百貨店の休業や客離れで資金繰りに行き詰まり、今年5月に子会社のレナウンエージェンシーが民事再生法の適用を申請した。負債総額は約138億円だった。