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資生堂が20年12月期決算を下方修正 市場回復の後れが継続

 資生堂は、2020年12月期の売上高を下方修正した。日本市場の消費マインドの冷え込み、欧米の感染拡大傾向とそれに伴う移動規制などから、市場回復の遅れが継続することを鑑みた。修正後の業績予想は売上高が9530億円から9150億円、営業損失がとんとんから100億円に、また経常損失が65億円から150億円に、純損失が220億円から300億円に赤字幅が拡大する。

 また、1〜9月期の連結業績は、コロナの再感染拡大や、前年の消費税増前の駆け込み需要による影響から減収減益。売上高は前年同期比22.8%減の6536億円、営業利益が同91.4%減の89億円、経常利益が94.5%減の55億円、純損失は136億円だった。

 成長戦略のコア事業である高付加価値スキンビューティの成長に「ドランクエレファント(DRUNK ELEPHANT)」「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」が貢献。特に前者はEC化率が65%を超える成長。オーストラリア、イギリス、アジアに加え9月からドイツでも販売し、21年以降もグローバル展開を加速する予定だ。また、グループ全体でデジタルを推進しており、プレステージブランド全体のEC化率は前年同期比40%を超える成長となった。

 魚谷雅彦社長兼CEOは、「2Qは非常に厳しく、3Qはさらに苦しくなると予測していた。しかし日本は厳しかったものの中国は回復、欧米も回復基調にある。特に『ドランクエレファント』はeコマースの成果も出て、営業利益も純利益も出すことができた。しかし、高い営業利益率ではないため、まだまだ予断をゆるさない。4 Qも緊張感を持って取り組む」とコメントした。

 さらに同社は、2021年1月1日付けで、全社の業務執行に責任を持つ「エグゼクティブオフィサー」体制(現行の執行役員を含む)を新たに導入する。16年から6つの地域とブランド・カテゴリーを掛け合わせ、各地域本社が責任と権限を持つマトリクス型の経営体制を構築してダイバーシティ経営を進めてきたが、さらなる収益性向上を目指しグローバル事業の構造転換を行う。

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