ファッション
連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

20年6〜8月期に見たユニクロ国内事業の凄み 【齊藤孝浩のファッション業界のミカタVol.19】

有料会員限定記事

 企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」(共に日本経済新聞出版社)の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はファーストリテイリング2020年8月期決算のポイントを解説する。(この記事はWWDジャパン2020年11月9日号からの抜粋です)

 今回はファーストリテイリングの2020年8月期決算を読み解きたいと思います。まず率直な感想として、6〜8月(第4四半期)の国内ユニクロ事業の売り上げは、まさに柳井正会長兼社長の執念だと思いました。6〜8月の3カ月間の売上高が前年同期比21%増。まだコロナの影響から脱することができない企業が多いなか、信じられないような数字です。3〜5月(第3四半期)で新型コロナの影響をもろに受けて、危機感を持った柳井会長の神通力が効いたというべきでしょうか。

 国内ユニクロ事業を中心に業績から見ていきましょう。国内ユニクロ事業は9〜11月(第1四半期)、12〜2月(第2四半期)は減収増益でした。暖冬で売上高は前年同期を割りましたが、粗利率を2.2%改善させ経費を削減して、営業利益は増益になっていました。まず、値下げコントロールをしたと盛んにアピールしているので、実際にそこが寄与したのだと思います(詳細後述)。

 また、データブックを見ると分かりますが、従業員数が減っています。店頭のセルフレジ化などが進んでいますよね。社員やアルバイトの数でコストコントロールして販管費を下げ、営業利益を確保したようです。

この続きを読むには…
残り2501⽂字, 画像4枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

27メディアが登場、これが私たち自慢の“ナンバーワン”【WWDJAPAN BEAUTY付録:化粧品専門店サバイバル最前線】

11月25日発売号は、毎年恒例のメディア特集です。今年のテーマは "ナンバーワン"。出版社や新興メディアは昨今、ウェブサイトやSNSでスピーディーな情報発信をしたり、フェスやアワードなどのイベントを実施したり、自社クリエイティブやIPを用いてソリューション事業を行ったりなど、事業を多角化しています。そのような状況だからこそ、「この分野ならナンバーワン!」と言えるような核を持てているかが重要です。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。