中国の最大手EC企業アリババ(ALIBABA)が開催した「独身の日(光棍節、シングルデー)」セールが11日、最終取引額4982億元(約7兆4730億円)で終了した。2019年に記録した2684億元(約4兆260億円)の2倍近くに達した。例年のセール期間は11日のみだったが、今年は11月1日から11日間行われた。
今回で12回目を迎える「独身の日」セールは、毎年11月11日にネット通販各社が大規模な値引き販売を行う一大イベントだ。アリババは、20年の配送件数が11日23時の時点で22億件に達したと公開した。終了まで1時間を残した中で10年に中国全体で取引された件数の総数のほぼ同じ数を記録しており、同社による「独身の日」セールの勢いは年々増している。
中でも今年のセール期間中に話題を大きく集めたのはライブストリームによる商品販売だ。ライブストリームを行ったインフルエンサーによる流通取引総額(Gross Merchandise Value以下、GMV)のトップ5は、ウェイヤー(薇婭、Viya)、オースティン・リー(李佳琦、Austin Li Jiaqi)、シェイリ(雪梨、Cherie)、キキ(陳潔、Kiki)、オウ・カン(Wang Han)ら。
企業によるライブストリーム販売のトップ10は、ファーウェイ(HUAWEI)、シャオミ(XIAOMI)、ハイアール(HAIER)、スニンディエンチー(蘇寧電器、SUNING)など家電製品を扱うブランドが大半を占めた。カテゴリー別ではビューティは2番目にパフォーマンスの高い分野となった。エスティ ローダー カンパニーズ(ESTEE LAUDER COMPANIES)は4位に、ランコム(LANCOME)は5位、ロレアル(L'OREAL)は9位にランクインした。
アリババ傘下のECサイト、タオバオ(淘宝、Taobao)のユ・フェン(Yu Feng)=ECコンテンツ・ジェネラルマネジャーは、「これはほんの始まりに過ぎない」と述べ、今後ライブストリーミングはアリババのマーケットプレイスでの総取引の3分の1を占めると予測する。「ライブストリーミングは、GMVで1兆人民元(約15兆円)か、それ以上の規模に達する可能性を持っている。総GMVの割合を2、3年以内に30%とする。それが私の目指している目標だ」と述べた。
中国政府の独占禁止法案の発表による販売規制へのリスクや、主要なECサイトの請負業者である宅配会社のストライキもあったが、宅配ボックスを活用した配送システムの導入などを行なったという。
アリババに次ぐ大手ECサイトのJDドットコム(京東商城、JD.com)は11月1〜11日に「独身の日」セールを開催し、取引額は2715億元(約4兆720億円)に上った。セールの最初の9日間でウェルネスアイテムが好調な滑り出しを見せた。売上はそれぞれ前年比でヨガアパレルが307%増、ピラティス用品が268%増、ゴルフ用品が77%増、テニス用品が50%増、ダンベルが34%増だった。