ファッション

「ヴィヴィアン・ウエストウッド マン」2016年春夏ミラノ・メンズ・コレクション

REPORT

ヘビーなメッセージをソフトなテーラードにのせて

今シーズンのテーマは“クリミナルズ(犯人)”。これまでも環境問題や社会問題をクローズアップし、パンクなウエアを通してメッセージを発信してきたヴィヴィアン・ウエストウッド。2016年春夏は「地球温暖化や貧富の差の拡大を広げた犯人は政治家だ!」という力強い思いをコレクションにのせた。ランウエイを歩くモデルたちの目の下にはクマが広がり、疲れ切っている。シャツがはだけていたり、ネクタイが曲がっていたりしてもお構いなし。「生きづらい今の世の中だからこそ、心地良い洋服をまといたい」というマインドを汲んでか、ウエアはリネン、シルクをはじめとする軽やかでソフトな着心地のリラックススタイルで構成した。

片袖を取ったアシンメトリーなシャツや、わざとルーズに腰ばきして中に重ねたショーツを見せたボトムスなど、テーラードにはどこか反抗心を感じさせるディテールをミックス。ホワイトデニムに大胆に描いた太ピッチのボーダーは、囚人服のイメージだ。ショールカラーのフォーマルジャケットには、ハードブリーチ加工を散らしたスエットのリブパンツを合わせるなど、このブランドならではのパンクが存分に発揮されている。フィナーレには髪の毛をバッサリ切ったヴィヴィアンが登場し、会場には拍手が溢れた。

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